今から5年前の春、桜の花が満開に咲いていた。


「優、おはよ。また同じクラスだな。」


「おはよう、色。今年もまたよろしく。」


優…こと、暁優兎(あかつきゆうと)が僕の名前である。


また、僕に話しかけてきた色…こと、赤宮色(あかみやしき)は僕の幼なじみで成績優秀で運動神経がいい。


おまけにルックスもよく性格も良いため、簡単に言えば完璧な人間なのである。


「…というか、色、後ろ…」


「…え?ってわぁっ?!」


色の後ろには沢山の女子たちがいた。多分、色のファンの子達だろう。


さっき言った通り、色は完璧な人間なため女子にモテるのだ。


「色は本当にモテるな。違うクラスになった女子たちが泣いてるぞ。」


「そんなことないよ。それに、多分俺のファンの子達だけじゃないと思うよ…ほら」


色が指さした方を僕は見てみた。