春の暖かい日差しに照らされて、いつもよりずっと綺麗に見える。


隣を歩く優実(うみ)と、その隣を歩く男。


始めてみたけど、優実が惚れそうな男だ。


優しそうで、いかにもいい人。


なんでこの二人と僕が食事なんてしなくちゃいけないんだ。


そう思いながらも、たぶん、優実と会えるのはこれが最後だから僕は誘われてすぐに来たんだろう。


黄色い凹凸のあるタイルの上に棒を打ち付けながら歩く。


この音を聞きながら歩くのも最後だ。


「今日はね、和食のお店なの。ゆぅ、和食好きでしょ?」


「うん」


そのあと男からなにか言われたけど、僕には聞こえなかった。