side紫苑

赤谷紫苑(あかやしえん)
俺の名前。
松坂紅花とは中2からの付き合い。
中学のときも同じクラスだった。
可愛くて、クラスの男子のほとんどは紅花のこと好きだった。

また、今日も泣いている。
俺には紅花の気持ちがわからない。
紅花の流すナミダをぬぐってやることしかできない。
今までこの子はどのくらいのナミダを流してきたのだろう。どれほどの苦しみや悲しみを背負っているのだろう。
俺にはなだめることしかできない。
苦しみや悲しみをともに感じることもわけることもできない。
悔しい。とてつもなく悔しい。
俺にはそばにいてやることだけしかできない。
だから…

紅花は今日もいう。泣いてるときは必ず言う。
「紫苑は死なない?」って。
俺は「死なない」って答える。
でも、人間いつ死ぬかなんてわからない。
でも、"死なない"という言葉ではなかったらあなたはどんな顔をする?
あんな顔をあなたになんかしてほしくないから…
俺は"死なない"そう答えて、そう努力する。