「ちまたに流れていないお七の話があるんですよ」 それまで端の方で飲んでいた男が声をあげた こちらを見ないままゆっくりと酒を飲んでいた 「どんな話でぃ?」 今まで話していた飲んだくれは興味を持ったようで、話を聞くことにした 「俺の知ってる八百屋お七です」 そう言って男は語りはじめた