私は体が弱くて皆が体育の時間に走ってるクロカン(クロースカントリー)を休んでいた。


でも全部走れなかった人は補習で走らなきゃいけないみたい…しんどいのに最悪だぁ…。


冬だから体操服の上から長袖ジャージを着る。


私はなんだかそそっかしいところがあるみたいで手で持ちながらトイレに行ったらトイレに「ぼちゃん」。


「さ…最悪だぁ…」


どっ、どうしよ。
もう補習始まっちゃう。


急いで教室に戻ると優斗がいた。

タオルでジャージを慌てながら拭いていると
「どうしたんだ?」


「と、トイレにジャージ落ちちゃって…。」


あ「まじか…大丈夫か?でももう補習始まるだろ?」

「うん…どうしよ…」


優斗はスクバをゴソゴソすると自分のジャージを取り出した。


「ほら。使えよ。ジャージ着ねえと寒いし。」

「え、でもそんな…悪いよ!」

「遠慮すんな。ほら、もう始まるぞ。
愛華は体弱いんだから無理せず頑張って走ってこいよ。」

そう言って微笑みながら私の頭を撫でてくれた。
優斗は…優しすぎるよ。
こんな私にも昔からずっと優しい。

大好き…


「ありがとう!じゃあ行ってくるね!」

「おう!」

ジャージを着ると教室を飛び出した。