「あぁ……、それにしても……」


りょうの言葉に頷いた後、ミキぽんを足の先から頭のてっぺんまでじっくり見る玲斗。


「レイの気持ちはわからんでもないけどね」


ケラケラ笑うセツ子。
確かにセツ子の言うとおり。
だってミキぽんの見た目は、アシンメトリーにされ襟足の長い髪、眉と口と耳に大量に着けられたピアス達。
パッと見危ない人だ。

でもミキぽんは見た目と中身が全然違うんだよ。


「お前岡本玲斗やろ」


「おう、そうだけど」


関西弁で話し、玲斗をジッと見るミキぽんに玲斗もミキぽんを見返した。


「やっぱりそうかー!ナルたんとせーちゃんからよう話聞いとるでー、玲斗めっちゃバスケ上手いらしいやんかー」


超絶笑顔で玲斗の手を握りブンブン振るミキぽんに少し驚きながら笑顔を返す玲斗。
見た目と違ってミキぽんは絡みやすいことがわかったみたいだね。


「ほんで、そっちの君がリョー君やろ?ナルたんの幼なじみのな!」


玲斗から離れて今度はりょうの手を握りブンブン振るミキぽん。
戸惑いながらも、笑顔をくれるミキぽんに笑顔を返すりょう。


「ミキ外見と中身全然違うよな」


「せーちゃんがそれ言うか?」


玲斗とりょうにそう言ったセツ子。
ミキぽんはそれにたいしてセツ子の肘を軽く小突いた。
それを見て笑う玲斗とりょう。
うん、よかったよかった、みんな友達になって。


「君が長坂奏やな??よろしくなーカナ君」


「カナ…君…??」


奏ちゃんは口元を引きつらせて、手を差し伸べ近付いてくるミキぽんからゆっくり遠ざかっている。


「ちょいちょい!カナ君仲良うしようやぁー!クールな友達欲しかってん!両手出してや!握手しようやー!」


「俺別にクールじゃないから友達にならなくても大丈夫だから仲良くしなくても大丈夫だからとりあえず近付いて来ないで立ち止まってくれない??それからそのカナ君呼びどういうこと寒気がヤバいんだけど」


ノンブレスで拒否する奏ちゃん。
そういえば奏ちゃんはグイグイ来る人苦手だって言ってたっけ。


「最大限に苦手なやつなら嫌みの1つも言えねーんだな」


「普段なら1言で相手の心ズタボロにするのに」


「大和君恐るべし」


玲斗とセツ子とりょうはミキぽんから逃げる奏ちゃんを遠巻きに見ていた。
こんなに焦る奏ちゃんもなかなか見れないから俺も3人に加わって奏ちゃんとミキぽんの攻防戦をニヤニヤ笑いながら見た。