どうかみんな無事でっ!!……
ぼくはとにかく必死に走った。
無事でいてと願いながら。
「見つけたっ!」
近付いて行くと4人はあちこちケガを負わされて地面に倒れている。
それを見て、ぼくは頭に一気に血が上るのがわかった。
「お前達……」
近付くと男2人がぼくへ振り向いた。
「来たな、荒川のとこの坊ちゃん」
ニヤニヤ笑いながらぼくの腕を掴もうとした1人の男。
ぼくはその腕を思いっきりはねのけた。
「ぼくの友達に手ぇ出すとはいい度胸じゃねーかぁっ!!お前達2人共ただじゃおかねぇーっ!!」
それからの記憶はない。
気が付けばボロボロになって地面に座り怯えた顔でぼくを見る2人の男がいた。
「坊ちゃん!!」
倉橋さんがそう叫んで走って来た。
後ろから吉田さんと八田さんも走って来た。
「坊ちゃんどこかケガは」
「手が腫れてるじゃないですか!?すぐに手当てを」
心配する八田さんと吉田さんに大丈夫だと伝え、早く2人を連れて行くように言った。
そしてぼくとケガを負った4人がそこに残った。
「何でこんなことっ!……ヤクザ相手だってわかっていたんでしょ!?……どうしてっ……こんな無茶なことっ!!……狙いはぼくなんだからぼく呼べばよかったのに……どうしてっ……」
痛々しい姿を見ていると胸が痛くなって気付いたらぼくは泣いていた。
「だってりょーすけケンカ嫌いだろ??」
レイのその言葉に顔を上げてレイの方を見た。
「嫌いだって言ってんのにわざわざケンカさせたくないよボク達」
血が滲む口元で笑みを浮かべたセナ。
「ぼくはっいい人じゃないっ……みんなに……そう思ってもらえる価値もないよっ……」
殴った、この手で……。
怯えられた、この手を……。
ケンカは嫌いだからしないと言ったのに、ぼくは意識もなくケンカをしてしまった。
「リョーさ、今までいろんな人に恐がられて避けられて……家がヤクザじゃなかったらって思ったことある??」
突拍子もないカナデからの質問。
ぼくは意味が分からなかった。
「ない……けど」
「なら、やっぱりリョーは俺達の思った通り優しいよ」
全然意味が分からない。
だけどカナデだけじゃなくてセナもレイもナルもぼくの答えに笑顔を向けている。
「相手を傷付けるのが嫌、仲間を傷付けられるのが嫌……家族を悪く言われて、家族を傷付けられるのが嫌」
「!!?」
ナルの口から紡がれたその言葉。
ぼくはそれに息をのんだ。
「りょうはちゃんと優しいよ??俺はそれをずっとわかっていたからそばにいた……玲斗もセツ子も奏ちゃんも、それをわかってくれたからそばにいた……そしてそれは、これからも」
「っ……くっ……ありっ…がとうっ……」
暖かかった。
みんなの笑顔も言葉も。
「りょうの家行くの子供の日以来だね~」
「そういえばそうだね」
「久々だよな!」
「ねぇっだからボクも行くからね!?」
高校2年生になった今でもみんなはぼくから離れないでいてくれている。
家柄を理解してくれない人もいる。
だけどlibertyのおかげで1人もクラスメートがぼくへ近寄って来ないなんてことはなくなった。
家を見たら離れていく人だっているだろう。
ケンカを見たら逃げていく人もいるだろう。
だけどぼくは、ずっとそばで笑ってくれるlibertyのみんなに感謝している。
「(だからね、今度はぼくがみんなに言葉を送るからね)」
楽しそうに騒ぐみんなの姿を見つめこう思うんだ。
「(みんなのおかげでぼくは笑っていられるんだよ)」
みんなの声と笑顔にぼくは目を細めた。
ぼくはとにかく必死に走った。
無事でいてと願いながら。
「見つけたっ!」
近付いて行くと4人はあちこちケガを負わされて地面に倒れている。
それを見て、ぼくは頭に一気に血が上るのがわかった。
「お前達……」
近付くと男2人がぼくへ振り向いた。
「来たな、荒川のとこの坊ちゃん」
ニヤニヤ笑いながらぼくの腕を掴もうとした1人の男。
ぼくはその腕を思いっきりはねのけた。
「ぼくの友達に手ぇ出すとはいい度胸じゃねーかぁっ!!お前達2人共ただじゃおかねぇーっ!!」
それからの記憶はない。
気が付けばボロボロになって地面に座り怯えた顔でぼくを見る2人の男がいた。
「坊ちゃん!!」
倉橋さんがそう叫んで走って来た。
後ろから吉田さんと八田さんも走って来た。
「坊ちゃんどこかケガは」
「手が腫れてるじゃないですか!?すぐに手当てを」
心配する八田さんと吉田さんに大丈夫だと伝え、早く2人を連れて行くように言った。
そしてぼくとケガを負った4人がそこに残った。
「何でこんなことっ!……ヤクザ相手だってわかっていたんでしょ!?……どうしてっ……こんな無茶なことっ!!……狙いはぼくなんだからぼく呼べばよかったのに……どうしてっ……」
痛々しい姿を見ていると胸が痛くなって気付いたらぼくは泣いていた。
「だってりょーすけケンカ嫌いだろ??」
レイのその言葉に顔を上げてレイの方を見た。
「嫌いだって言ってんのにわざわざケンカさせたくないよボク達」
血が滲む口元で笑みを浮かべたセナ。
「ぼくはっいい人じゃないっ……みんなに……そう思ってもらえる価値もないよっ……」
殴った、この手で……。
怯えられた、この手を……。
ケンカは嫌いだからしないと言ったのに、ぼくは意識もなくケンカをしてしまった。
「リョーさ、今までいろんな人に恐がられて避けられて……家がヤクザじゃなかったらって思ったことある??」
突拍子もないカナデからの質問。
ぼくは意味が分からなかった。
「ない……けど」
「なら、やっぱりリョーは俺達の思った通り優しいよ」
全然意味が分からない。
だけどカナデだけじゃなくてセナもレイもナルもぼくの答えに笑顔を向けている。
「相手を傷付けるのが嫌、仲間を傷付けられるのが嫌……家族を悪く言われて、家族を傷付けられるのが嫌」
「!!?」
ナルの口から紡がれたその言葉。
ぼくはそれに息をのんだ。
「りょうはちゃんと優しいよ??俺はそれをずっとわかっていたからそばにいた……玲斗もセツ子も奏ちゃんも、それをわかってくれたからそばにいた……そしてそれは、これからも」
「っ……くっ……ありっ…がとうっ……」
暖かかった。
みんなの笑顔も言葉も。
「りょうの家行くの子供の日以来だね~」
「そういえばそうだね」
「久々だよな!」
「ねぇっだからボクも行くからね!?」
高校2年生になった今でもみんなはぼくから離れないでいてくれている。
家柄を理解してくれない人もいる。
だけどlibertyのおかげで1人もクラスメートがぼくへ近寄って来ないなんてことはなくなった。
家を見たら離れていく人だっているだろう。
ケンカを見たら逃げていく人もいるだろう。
だけどぼくは、ずっとそばで笑ってくれるlibertyのみんなに感謝している。
「(だからね、今度はぼくがみんなに言葉を送るからね)」
楽しそうに騒ぐみんなの姿を見つめこう思うんだ。
「(みんなのおかげでぼくは笑っていられるんだよ)」
みんなの声と笑顔にぼくは目を細めた。