「おい、おいってば!」
「!!?」
そんなぼくに話しかけてくれた1人のクラスメート。
「お前名前何??」
「荒川……涼桔……」
「んー、じゃありょーすけ!」
「えっ!?」
「俺は岡本玲斗、はいよろしく」
ニカッと笑って差し出された右手。
ぼくは戸惑った。
この手を掴んで握手をしてもいいのか……。
「何やってんだよ??はい握手ー!」
「えっちょっと……」
ぼくの躊躇いも気にせずに無理やり手を掴んで握手をしてきた。
「あの、岡本君……」
「あ??そこは友達になったんだからあだ名とかにしろよ」
「ご、ごめん!じゃあ……レイ……でいい??」
「おう!」
元気で男らしくていい人。
もしかするとレイはぼくの家のことを知らないんじゃないだろうか……。
でもきっとそのうちバレるだろう……。
「えっ??お前ナルと幼なじみかよ」
「ナルのこと知ってるの??」
知り合ってしばらくしてからレイはナルといつの間にか友達になっていたようだ。
「じゃあさ……ぼくの家のことも知ってる??」
恐かった。
離れて行ってしまうのが。
「家のこと??……あぁ、ヤクザってこと??」
「知ってたの!?」
「おん」
レイは知っていた。
だけどずっと友達で居てくれていた。
「レイー、数学の教科書……おっ?もしかして荒川??」
レイの所へやってきて突然ぼくに話しかけてくれた人。
「りょーすけ、これ俺の幼なじみ」
「後藤瀬那!荒川のことはレイからよく聞いてるよ!何、家ヤクザらしいじゃん??カッケー!!」
それはバカにしているのでも無理して言っているのでもない言葉だった。
「リョウキチって呼んでいい??ボクのことも好きなように呼んでいいから!」
「うん……じゃあセナ」
「いいな!」
「瀬那、あと10秒でチャイム鳴る」
「えっちょっ、教科書借りる暇なくなった!それじゃあまた!」
慌ただしく帰って行ったセナに驚くぼく。
いや、驚いたのはそれだけじゃない。
ぼくの家のことも知っていたのに友達になってくれたこと。
「ねぇ、これ」
ナルにセナとレイの話をしていると、1人の生徒がナルに何かを渡した。
「それレシピね」
「ケンカ売ってんのかな~?」
ナルのこの態度、どうやら彼が長坂君らしい。
「お前にケンカ売る暇あったら俺は家帰るよ」
うわぁ……すごいなこの人。
そんな風に第三者目線で2人を見ていると、長坂君が去り際にチラッとぼくを見た。
「!!?」
そんなぼくに話しかけてくれた1人のクラスメート。
「お前名前何??」
「荒川……涼桔……」
「んー、じゃありょーすけ!」
「えっ!?」
「俺は岡本玲斗、はいよろしく」
ニカッと笑って差し出された右手。
ぼくは戸惑った。
この手を掴んで握手をしてもいいのか……。
「何やってんだよ??はい握手ー!」
「えっちょっと……」
ぼくの躊躇いも気にせずに無理やり手を掴んで握手をしてきた。
「あの、岡本君……」
「あ??そこは友達になったんだからあだ名とかにしろよ」
「ご、ごめん!じゃあ……レイ……でいい??」
「おう!」
元気で男らしくていい人。
もしかするとレイはぼくの家のことを知らないんじゃないだろうか……。
でもきっとそのうちバレるだろう……。
「えっ??お前ナルと幼なじみかよ」
「ナルのこと知ってるの??」
知り合ってしばらくしてからレイはナルといつの間にか友達になっていたようだ。
「じゃあさ……ぼくの家のことも知ってる??」
恐かった。
離れて行ってしまうのが。
「家のこと??……あぁ、ヤクザってこと??」
「知ってたの!?」
「おん」
レイは知っていた。
だけどずっと友達で居てくれていた。
「レイー、数学の教科書……おっ?もしかして荒川??」
レイの所へやってきて突然ぼくに話しかけてくれた人。
「りょーすけ、これ俺の幼なじみ」
「後藤瀬那!荒川のことはレイからよく聞いてるよ!何、家ヤクザらしいじゃん??カッケー!!」
それはバカにしているのでも無理して言っているのでもない言葉だった。
「リョウキチって呼んでいい??ボクのことも好きなように呼んでいいから!」
「うん……じゃあセナ」
「いいな!」
「瀬那、あと10秒でチャイム鳴る」
「えっちょっ、教科書借りる暇なくなった!それじゃあまた!」
慌ただしく帰って行ったセナに驚くぼく。
いや、驚いたのはそれだけじゃない。
ぼくの家のことも知っていたのに友達になってくれたこと。
「ねぇ、これ」
ナルにセナとレイの話をしていると、1人の生徒がナルに何かを渡した。
「それレシピね」
「ケンカ売ってんのかな~?」
ナルのこの態度、どうやら彼が長坂君らしい。
「お前にケンカ売る暇あったら俺は家帰るよ」
うわぁ……すごいなこの人。
そんな風に第三者目線で2人を見ていると、長坂君が去り際にチラッとぼくを見た。