「岡本!!お前は検査の時くらいちゃんと出来ない のか!?」

「校則は破るためにあるんだよ!!これ俺のポリシ ーだからな!!」

教師の悲願もバッサリ切り捨て、己のポリシー だと叫んだ玲斗は教師の涙目に気付いてあげる べきだ。

「以上で検査を終了する。2年は4組の岡本と後 藤だけ今日の昼休み職員室だ!!」

こうして今月の検査は終了した。 玲斗と瀬那が職員室に呼び出されるなんて毎月 のことだから、今更驚きもしない。 けど、1年は昨日入学したばっかりで初めての検 査だったため、教師に楯突く玲斗と金髪の瀬那 にビビっていたっぽい。

「なーんで呼び出しくらうんだろうなー」

「そりゃ玲斗が毎月同じことするからだよ」

昼休み。昼食を採るため、libertyの部室へ来た 俺達。

玲斗は嫌いなトマトをつつきながら言ってきた ので、俺は一瞬で答えを返してやった。

「カナだって校則破ることあるでしょ??なのに 俺達だけなんて」

「あのね、俺は検査日くらいはちゃんとして引 っかからないようにしてるの。あと、俺はお前 達ほど校則破ってないからね」

不公平だー。なんて対して思ってもないことを 言い、瀬那の弁当箱の中へトマトを転がした。

「ボクは金髪だけで言われるなんて酷くね?」

「セナはそれだけで充分校則破ってるからね」

リョーはペットボトルに口を付けながら言った 。

「玲斗とセツ子は既に常習犯だからさ、逆にち ゃんとしてきたら、それはそれで呼び出される んじゃない??」

ケラケラ笑いながら言い、玲斗の飲み物を飲も うとしたら玲斗から殴られたナルは頬をさすっ ていた。

その時、

ピンポンパンポーン。

校内に放送がかかり、そこから教師の怒声が聞 こえた。

〈2年4組の岡本と後藤ーー!!!今すぐ職員室来ん かーー!!!〉

「ヤッバ、せんせーマジ怒りじゃん」

「レイ、職員室行くか」

俺達にヒラヒラ手を振って部室から出て行った2 人。 ホント学習しないやつ達。

それからしばらくすると、廊下にバタバタと2つ の足音と叫ぶ教師の声。

「りょう、奏ちゃん、俺達も行こっか」

「ぼく達も!?」

ナルに手を引かれ廊下に出ると既に玲斗達の姿 は見えなかったが、構わず引っ張っていくナル 。 そして、何だかんだ、楽しそうなリョー。 校則なんてクソくらいだと言うあいつ達に毎月 振り回される教師達。

そんな様子を毎回見ながら俺の周りはやっぱり アホばっかりだと改めて思った。