エレベーターで下り、残りの時間でお土産を買ったりしながら楽しんだ。


集合の時間になり俺達はバスへ移動。
そしてそのまま空港へ向かい、俺達は飛行機に乗り込んだ。


「楽しかったね、修学旅行」


起きている人間はほぼいないこの機体で、静かにそう言ったリョー。


「東京でよかったよ、すごい楽しかった」


続いて瀬那も静かに言った。


「1日目はマジでどうなるかと思ったけどな」


静かに笑いながら言った玲斗。


「俺のせいみたいに言わないでよ玲斗」


玲斗と同じように静かに笑いながら言ったナル。


「最終的には楽しかったからまあいいけどね」


俺がそう言うと4人は笑顔を俺に向けた。


「俺さ、明日蛍ちゃんにお土産渡してくるね」


俺達は勢いよく、突然そう言ったナルの方を見た。


「もう連絡はしてあるんだよね~。他の部員より早く渡したいからね」


後半の言葉の意味をナルはどう思って言ったのかはよくわからないけれど、何となく、それを聞いて俺も早く渡したいなと思った。
しかも、気付いたら連絡をしてしまった。


「(何でこんなに焦っているのかな?)」


自分にため息が出そうになる。


「!!」


携帯が光っていて、見ると画面に《瑠美ちゃん》の文字。
断られていないかな?とか色々考えながら開けてみた。


《先輩がお疲れでなければ私の方は大丈夫です。ではその時間に行きます。それから、お菓子のこと了解しました。明日楽しみにしています》


ホッとした気持ち。
だけど気になる最後の言葉。


「その楽しみはどういう意味?」


お土産のこと?それとも……。

それとも??それとも何だ??

続く言葉が見つけられないくせに、ここにはいないあの子の真意を知りたいと思って呟いてしまった俺の言葉。
全く嫌になる。

そう思いながらチラッと横を見ると、片手で口元を隠しながら携帯を触る玲斗。
目尻が少し下がって穏やかな顔で笑うリョー。
長い髪で顔は全く見えないけど、髪の隙間から見える耳は何だか日焼けとは違う赤みを帯びている瀬那。


あーもう考えるのは止めよう。
どうせ考えたところでわからないんだし。
今はとりあえず、携帯触りながら鼻歌を歌うナルの頭を叩いて静かにさせよう。



いろいろあったけれど、高校生活で最大のイベントである修学旅行は、最後には俺達に最高に楽しい思い出だけを与えて終了していった。
たくさんある写真はどれもこれも笑顔で、あー終わったんだ、と思わせるよりも、あー楽しかったな、と思わせてくれる。
libertyとずっと一緒だった4日間は本当にただただ楽しかった。


「楽しかったよ、ありがとう」


誰にも聞こえないようにそう静かに呟き、俺もまどろみの中に落ちて行った。


楽しかった修学旅行4日目終了。