3人でしばらく歩いていると、校門が見えてきた 。 そこには登校の指導をするため、教師が数人と 、登校して来た生徒が数人いた。

「あれって、レイとセナだよね??」

リョーの言葉に目を細めてよく見てみると、1台 のバイクと教師1人と玲斗と瀬那がいた。

「岡本と後藤!!お前達は毎回毎回!!ちょっとは学 習せんかーーっ!!」

「2人乗りで運転するのは俺の楽しみなんだ!!超 スピード出すのが楽しいんだよっ!!」

「レイ!!先生相手にケンカ売るな!!アホか!!」

教師相手に余裕で突っかかっていく玲斗には、 尊敬すら覚えるよ。 必死に止めてる瀬那も含めて、校門前で騒ぎす ぎだ。

「荒川、松岡、長坂OKな。そのまま体育館行っ て服装検査して来いよ」

校門前では服装や頭髪については言われない。 生徒に直す時間を与えるあたり、本当に霧南は 校則が緩い。

教師を言い負かして逃れてきた玲斗と巻き沿い をくらった瀬那も俺達と合流し、体育館へ向か うことになった。

「セツ子、毎回思うんだけどさ」

「何?ナルみん」

「その髪どうにかしたら??」

ナルが指摘した瀬那の髪はいつもの金髪ロン毛 ではなく、黒髪サラサラロングだった。

「女の子から借りてるんだったっけ??」

そう、リョーの言うように、瀬那は頭髪検査の 前に女子からウィッグを借りている。

「無駄なことせず染めて来たらいいのに」

俺のため息と共に出た言葉に吹けもしない口笛 を吹いた。

「ってか、ボクより大穴がいるだろ!」

瀬那は隣に立っている玲斗へ人差し指を勢いよ く振りかざした。

「俺のことはほっとけ、次瀬那の番だぞ」

玲斗に言われ瀬那は担当教師の前を風のように 通り過ぎた かのように思えたが、

「後藤……お前はそんなに先生のことが嫌いか?? それとも女装の趣味でもあるのかなあ??えーっ? ?」

首根っこを掴み、額に青筋がヤバい教師は瀬那 のウィッグを取り、怒鳴った。

まあ、自業自得だよな。

「あっ、俺の番だ」

玲斗は自分の列を見て担当教師の前まで歩いて 行った。

「玲斗カッケーー!」

「うーん、ぼくはあそこまで普通に出来るレイ を担当する先生がかわいそうだと思うなぁ」

「ナルは玲斗好きすぎてキモイから。俺もリョ ーと同意見」

玲斗がどうして俺達にここまで言われているの かというと。

「岡本、お前ネクタイは??」

「結ぶのがめんどくさいんで」

「お前、ズボンの裾捲ってるの下ろしなさい」

「だって暑い」

「検査の時くらいヘアピン外せ」

「ムリ」

とにかく検査なんて関係なく服装乱しまくって いるからだ。