「ご注文お決まりでしょうか?」


「茶そばのざる1つと。抹茶白玉パフェの生クリーム抜きであんこ少なめ1つ。あと、この抹茶」


「奏ちゃんノンブレス!」


「カナデさ、メニュー見てないってことは、先に調べて来ただろ」


「部屋と席の注文もノンブレスで早口だったしね」


「カナ、ワクワクしてんのが丸分かりだ。とりあえず落ち着け」


ナルに続くように瀬那とリョーと玲斗も口々にそう言った。
いや、わかってるなら早く注文しなよ。




「ヤバい何これ。めちゃくちゃおいしい。今まで食べた茶そばの中で一番おいしい」


それぞれ注文したものがテーブルの上へ運ばれて来て、俺達はここで昼食をとった。


「お待たせいたしました、こちらデザートの方でございます」


俺達が食べ終わるのを見計らって持ってこられたデザート達。


「おいしいね!」


「だねっ!なんかすごくいい味」


口へ一口運ぶと顔を綻ばすリョーとナル。


「カナのおかげでめちゃくちゃ旨いもの食べれたな」


「カナデ、抹茶白玉パフェも茶そばみたいに今まで食べた中で一番旨いか?」


玲斗の言葉に頷いた後俺に笑いながら聞いてきた瀬那。


「ん?あー……」


いや、正直これは2番目くらいだ。
1番目は………。


なんて考えているとみんなそれぞれ食べ終わったようだ。


「そろそろお店出ようか」


リョーの言葉に、俺も最後の二口を食べて席を立った。




「この服いいな!よし、レイ着てこい」


「うーい」


原宿で今は服屋巡り。
瀬那がやたら生き生きして見える。

ちなみに瀬那が玲斗の服を選んでいる理由は、玲斗のセンスが壊滅的だからだ。


「ジャーン!どうだ?」


カーテンが開かれ、中から玲斗が出て来た。


「おー!いいじゃんいいじゃん!」


ナルが写メを撮ると、玲斗もノリよくポーズをとってみせた。


「リョウキチこれね。ナルさんはこっち。そんでカナデはこれ!」


テンション高い瀬那はそれぞれに服を選んでくれた。
瀬那は服のセンスがやたらいいから、俺達も素直に受け取り更衣室の中へ入った。


「着替えられたよ」


俺がカーテンを開けて出ると、既に着替え終わったリョーとナルもいた。


「さすがボク!みんな完璧だ!レイ意外の3人はもともとセンスいいから、レイみたいにボクが選ぶこととかなかっただろ?だからずっと3人を見立ててみたかったんだよ!」


服着ただけでこんなに喜ぶなんて瀬那くらいだよ。
まあ、喜んでくれてるならいいんだけどね。


「さっきさ、チラッと見えた近くの服屋おもしろそうだったから着いて来てくれない?」


「いいよ、もちろん着いて行くよ」


最後に会計を済ませたリョーは財布を片付けながらナルにそう返した。


「瀬那は本当にスタイリングすんの好きだよな」


ケラケラ笑いながら瀬那に話しかけた玲斗。


「だって楽しいじゃんか!」


本当に嬉しそうに笑う瀬那に「おぉ」と言ってまた笑った玲斗。


「………来たいよなー………」


玲斗の隣を歩いていた瀬那は一瞬歩みを止めて何かボソボソと呟いた。
一番後ろで歩いていた俺はそれに反応して声をかけようとしたけど、声をかける前に瀬那はまた歩き出した。