あの後俺達はぶつかってしまったお詫びに一緒に写真を撮り、2人と別れ、赤レンガの中へやっと入った。
って言っても、お土産とか見たりしてただハシャいでただけなんだけどね。


「腹へったなー」


「そろそろラーメン工場の方行くか」


誰よりハシャいでいた瀬那と玲斗はそう提案してきた。


「そうだね、そろそろお昼だからちょうどいいかもね」


「自分でカップラーメン作れるなんてすごいよね~」


笑顔で賛同したリョーと、リョーの頭に両手を乗せてそう言ったナル。
リョー、そいつ殴っていいんだよ?


俺達は赤レンガ倉庫を後にし、すぐ近くのカップラーメン工場へ向かった。


「ナルさん……それ何が入ってんの?食べられるもの?……」


「え~?セツ子バカじゃない?どう見ても担々麺キムチ乗せじゃん」


引きつった顔をした瀬那にさも当然かのように言ったナル。
スープのもとの粉が赤すぎて覗いた瀬那がむせてるんだけど……。


「瀬那、昔からそれ好きだな」


「これが一番美味いって!」


横から覗き込んでそう言った玲斗の視線の先には、味噌&醤油味にもやしが乗せられるという、何とも新しい味のラーメンがあった。


「玲斗は味噌なんだね」


「おう!やっぱりラーメンは味噌だろ」


俺が玲斗の方を見ると、カップの中には味噌ラーメンがあった。
具材無しでスープのもとしか無いけどね。


「りょうは何ラーメン?」


「ぼくは醤油で具材無しだよ」


ナルがリョーにそう聞くと、リョーは自分のカップラーメンを見せるように少し傾けた。
玲斗に続いてリョーも具材無しか。


「カナデは何にしたの?」


「俺は塩味にキャベツと魚貝類乗せたやつだよ」


ナルと話していたリョーは俺の方へ振り向いてそう聞いてきた。
俺がリョーの質問に答えると「女の子みたいだね」って……。
天然なリョーに暴言吐くわけにもいかず、後ろで笑ってる3人は後でお仕置き決定だ。


お湯を湧かして作ったカップラーメンを食べられる所へ移動し、俺達はラーメンを食べることにした。


「美味しいな~。はい、玲斗アーン」


「近付けるなクサイ!」


真っ赤の何かを玲斗へ向けてそう言ったナルに心底嫌そうな顔をして拒否した玲斗。


「瀬那……それ本当に美味しいの??……」


「リョウキチ何でそんな微妙そうな顔してんの!?」


2つの味がする瀬那のラーメンを見て何とも言えない顔をするリョーと、そんなリョーの顔を見てギャーギャー騒ぐ瀬那。


「お前達うるさいよ!ラーメン食べながら暴れるな!」


俺の声も気にせず未だに騒ぐうるさいやつ達。
机の上にスープがめっちゃ飛んでるんだけど……。