「はい、OK」


かっこの中を消したおかげですんなりOKをもらった俺達。


「1日目の横浜の自主研修はみなとみらいの赤レンガとカップラーメン作れる工場で決まったし、2日目の東京の自主研修もこれで決まったな」


席に戻ってきてそう言った俺。


「3日目は東京ディズニーランド!」


「4日目は浅草寺とスカイツリーだね」


俺の後に続くように瀬那とりょーすけも予定を言った。


「楽しみだね~。でも行く前に買い物行かなきゃね」


「じゃあ明日行く??みんな明日部活休みでしょ??」


ナルの言葉にそう聞いたカナ。
俺とナルとりょーすけが部活が休みだと伝えた。


「じゃあ明日に決定だな!昼からでいいよね??」


瀬那は嬉しそうにニカッと笑った後そう聞いた。
それに対して俺達は「はーい」と手を挙げて答えた。




「岡本先輩」


放課後部活終了後、名前を呼ばれて振り向くと伊吹がタオルを渡してくれた。


「サンキュー伊吹」


「いえ。もうすぐ先輩達修学旅行ですね」


「おう!伊吹達は朝霧動物園だろ??」


「はい。羨ましいです、東京」


「来年伊吹達も行けるって」


霧南は1年は動物園へバス遠足。
2年は東京へ修学旅行。
3年は大阪のUSJへバス遠足。
という風に毎年決まっている。


「お土産買ってくるからな」


「そんなっ、気を使わないでください」


そんな感じで伊吹と話をしていると、ナルと小鳥遊ちゃんの声が聞こえた。


「蛍ちゃん、俺がいなくても他の人と浮気しないでね??」


「浮気も何もアナタと何も無いじゃないですか」


「え~~??こんなに愛してるのに!」


「っ~~~!!だからぁ!……」


またいつものようにナルが絡んで小鳥遊ちゃんがキレるというバスケ部では日常茶飯事なことを繰り返していた。


「なあ、伊吹」


俺はいい案が浮かんで伊吹の名前を呼んだ。
伊吹は首を傾げて何かと聞いてきた。


「ーーーーー」


「えっ!?でも……」


「頼むよ、やっぱ俺達だけじゃ気付かねーとこあるし」


「ご迷惑でなければ、全然大丈夫です」


「マジ??じゃあよろしくな」


俺の頼みを引き受けてくれた伊吹。

向こうで未だに騒いでいるナルと小鳥遊ちゃんを見て俺は自分の思いついた案にニヤニヤと笑った。


「あー、楽しみだな!」


道場で空手をしているであろうりょーすけと、美術部で絵を教わっているであろう瀬那と、グラウンドでハイジャンをしているであろうカナのことを頭に浮かべ、俺は余計にニヤニヤと笑った。
そんな俺に伊吹は気付いておらず、携帯を触り、俺の計画へ協力してくれている真っ最中だ。


「(みんなどんな反応すんだろ)」


1人で即興で立てた計画はきっとあいつ達を驚かすだろう。
楽しみだ。