それからしばらくしてそれぞれにやりたいゲームを一通り終わらせたみんなが集まってきた。


「瀬那はやりたいゲームやったのか??」


「そういえば、セナはぼく達のやつを一緒にやっただけだったよね」


レイとリョウキチの言葉に確かにそうだと思った。


「瀬那やりたいゲーム無いの??」


カナデにそう言われ、ボクは1つだけやりたいものを思い付いた。


「ボクさ、プリクラ撮りたい!」


「なら俺が完璧なポージングを伝授してあげる」


ウィンクをしながら言ってきたナルみんに少しの苛立ちと吐き気を感じながらボク達はプリクラの機械のもとへ移動した。


「ちょっと、俺も??」


ウサギを抱えているカナデの腕を引っ張って中に入ろうとするとカナデは若干眉間にシワを寄せてそう言った。


「みんなで撮ろうよ、ね??」


カナデの背中をポンポンと叩いて中に入るよう示したリョウキチ。


「早く入ろうぜ!」


「そうだよ、早く行こっ!」


ワクワクしているのが目に見えてわかるレイとナルみんはボク達の腕もグイグイ引っ張った。
しぶしぶといった感じでカナデも中に入り、ボク達は小銭を入れた。


「変顔しようよ!変顔!」


ボクがそう言うとレイは元気に了承してくれた。

そして機械からカメラのシャッター音が鳴り、ボク達は撮れた写真を確認した。


「ちょっと!!何でボクだけ変顔!?何でみんな真顔!?」


クッソ!!ハメられた!!


その後落書きをしてプリクラを5人分に分けて、ボク達は「また明日」と言い合ってそれぞれ帰って行った。




「じゃーん!プリクラ携帯に貼っちゃった」


翌日学校で携帯を見せながらそう言うと4人も携帯を見せてきた。


「俺も貼ったよ~ほらほら」


「何だよ、全員同じやつ貼ってんじゃん」


ナルさんは携帯をボクの目の前まで持ってきて見せびらかすようにしてきた。
そしてレイはナルさんの携帯を見た後全員の携帯を見回しそう言った。


「だってこれが一番みんなが綺麗に写ってるしね」


「ナルデカいから頭切れてんのばっかだしね」


携帯に貼られているプリクラを指差しながらそう言ったリョウキチに頷いた後、携帯には貼られていない残りのプリクラの話をしたカナデ。


「楽しかったな!また行こうね!」


そう言うと笑ってくれた4人。


ボクにアホ。
レイにチャラメガネ。
リョウキチに怪力。
ナルみんに色魔。
カナデにドS。

笑顔のみんなにそう落書きされて写ってるプリクラがボク達の携帯に貼られている。
やっぱりみんなでいると楽しいな。
そう思いながらもう一度プリクラを見た後ボクはそっと携帯をポケットへしまった。