「りょう助けて、現代国語何これ」


この時筆者はなぜこれを伝えたいと思ったのですか、棒線部6から考えなさい。

プリントにはそう書かれていて、どうやらナルはそこがわからないらしい。


「ナルこういう感情読み取る問題苦手だよね」


笑いながら説明をしてやるりょーすけ。
確か同じような問題を前のテスト勉強の時にもしていた気がする。
何度も根気よく教えられるりょーすけはすげーなと思う。
まあ、何度教えられても全く理解しないナルもある意味すごいけどな。


こんな感じで俺達は教えたり教えてもらったりしている。


「そろそろ帰る時間だね」


時計をチラッと見てそうカナが言った瞬間、ちょうどよくチャイムの音も響いた。
こうして俺達のテスト勉強1日目終了。
テストまで残り6日だ。









そして全教科テストが終了した。
放課後、今日やったテスト意外のテスト。例えば1日目と2日目のテストが返却された。


「やっと全教科終わったー!」


伸びと欠伸をしながらそう言った俺に賛同するように4人は頷いた。


「バスケ部今日から再開だね、そろそろ部活行く??」


「空手部も今日から再開だからぼくもそろそろ行かなくちゃ」


ナルとりょーすけはそう言い椅子から立ち上がった。
俺も行こうと思い椅子から立ち上がろうとした時、目の前に突如赤色の文字が現れた。


「岡本、お前いい加減課題を提出しろ!お願いだからしてください!」


涙目でそう言ってきたのは政治経済のおっさん。
生徒に敬語とかウケる。


「大丈夫大丈夫、課題出しても出さなくても返却された俺のテストの点数変わらねーから」


「君が大丈夫とかじゃないんだよおぉぉー!!」


全くうるさいおっさんだ。
適当に返事をしてドアの方へ歩いて行くと勢いよくドアが開かれた。
そこには白衣を着た保健の先生。


「長坂君、保健だけ赤点とか私にケンカ売ってるのかな??それとも嫌みなのかな??えぇ??」


今日した保健のテストを持ちカナへそれを見せた。
本当は個人的にテストを見せることはあまりしないが、カナの場合毎回赤点なのでめちゃくちゃ優しい保健の先生もブチ切れているらしく、今はそんなこと関係ないみたいだ。


「何で毎回毎回保健のテスト赤点なのかな??君だけなんだけど補講してるの!」


「だって保健意味わかんない」


教えている本人へ向かいバッサリそう言い切ったカナは勇者だな。


「見つけた!」


ドアの方から声が聞こえ、入ってきたのは古典の先生。


「松岡君、赤点ギリギリなのどうにかしてくれないかな??微妙に危ういから補講するべきかわからないんだけど!」


「女の先生じゃなきゃやる気出ないんだよ」


おい、今年赴任してきたばっかりの若い先生相手を落ち込ませんなよ。


「じゃあ僕が女装してこよう」


訂正、この先生バカだ。落ち込むどころか意味不明なこと口走ってる。


そして俺とカナとナルは職員室に強制連行。


「……ぼくももっと勉強がんばろ」


「ボクは数学の先生にテストに職員室来なさいって書かれてた」


「えっ…それ怖いね」


後ろでりょーすけと瀬那がそんな会話をしながら俺達の消えていったドアを見つめていたことなんて俺達は知らない。

やっぱりテストなんてクソだ。