悩みに悩んで、店員さんから話を聞いたり携帯でネットで調べたり、いろんなことを駆使してようやく天然石をそれぞれ決めた俺達。
天然石をはめ込むのに時間がかかると聞き、俺達はネックレスを預けて一旦店を出た。
そして向かった先はカップル率がめちゃくちゃ高い地下の菓子売り場。
ネックレスに何かお菓子を付けて渡そうということになりここに来た。
「ホワイトデーのお返しの定番って何だろう」
多分今まで一度もお返しとかしたことないカナが不思議そうに辺りを見渡す。
「マシュマロとかクッキーとかキャンディーがやっぱり主流なのかな??」
考えるように口元に手を当てたりょーすけがそう言うと、瀬那が思い出したように口を開く。
「でもさ、最近そういうお返しにそれぞれ意味があるらしいよ」
「お返しに意味??、何じゃそりゃ」
瀬那の言葉に俺は意味がわからなくて首を傾げる。
いやだってそういうのって好みの問題じゃねーのかよ。
「マシュマロはあなたが嫌い。クッキーは友達でいましょう。キャンディーはあなたが好き。何でそうなったかは知らないけどね〜」
俺達四人が考えていると、ナルがスラスラとそう口にした。
さすが女に対する知識なら天下一品のナル。
女が気にすることまでちゃんと頭の中に入ってんのか。
多分伊吹達はそういうの気にしない。
と思うけど、やっぱり俺達がそれを知った以上、気にしないというのは何か違う気がする。
「どれも何かなぁ……、いっそ違うやつのほうがいいか」
悩みに悩んだけど、俺の言葉に四人も同じことを思ったようで苦笑いしながら頷いた。
とはいえ、じゃあ何を選ぶべきか。
「お悩み中ですか??」
そのとき、若い男が俺達に声をかけてきた。
そっちに視線を移すと、そこには白いシャツに黒色のスカーフとハンチングを被ったお兄さん。
その下にあるショーウィンドウにはカラフルな丸いもの。
「お悩みならうちの商品すごくオススメですよ」
「マカロンが??」
そこにあったのはマカロン。
確かに女ウケも良さそうだし、実際旨いとも思う。
けど、ホワイトデーにマカロンっていうイメージはあんまりない。
不思議に思って目配せをし合う俺達に、お兄さんはニッコリ笑って言った。
「マカロンには意味があるんですよ。それはーーー」
「決まってよかったなぁ」
「一時はどうなることかと思ったけどね」
帰りの電車の中、息を吐くように呟いた俺の言葉にりょーすけが笑う。
「でも最高のプレゼント選べたよね」
「悩んだ甲斐あったと今なら思うよ」
同意を求めるように言った瀬那の言葉に珍しくカナが素直に頷いた。
「まあでも」
笑い合う俺達に、ナルが口を挟む。
俺達がその続きを促すようにナルを一斉に見ると、ナルはいつもはなかなか見せない真面目な顔で……。
「本番はこれからだから」
「そうだね、決まったからって満足してちゃダメだよね」
「確かに、ボク達の本番は明日だ」
「明日は今日みたいに協力とかし合えないからね」
りょーすけ、瀬那、カナ、と続けて真面目な表情になる。
「そうだな……」
そして俺も。
「それぞれ健闘を祈るぜ」
そう言って拳を突き出すと、四人もそれに拳を合わせる。
互いのこと、そして自分のことを思いながら、俺達はそれぞれ手にした二つのプレゼントが入った袋を、ぎゅっと大切に握った。
天然石をはめ込むのに時間がかかると聞き、俺達はネックレスを預けて一旦店を出た。
そして向かった先はカップル率がめちゃくちゃ高い地下の菓子売り場。
ネックレスに何かお菓子を付けて渡そうということになりここに来た。
「ホワイトデーのお返しの定番って何だろう」
多分今まで一度もお返しとかしたことないカナが不思議そうに辺りを見渡す。
「マシュマロとかクッキーとかキャンディーがやっぱり主流なのかな??」
考えるように口元に手を当てたりょーすけがそう言うと、瀬那が思い出したように口を開く。
「でもさ、最近そういうお返しにそれぞれ意味があるらしいよ」
「お返しに意味??、何じゃそりゃ」
瀬那の言葉に俺は意味がわからなくて首を傾げる。
いやだってそういうのって好みの問題じゃねーのかよ。
「マシュマロはあなたが嫌い。クッキーは友達でいましょう。キャンディーはあなたが好き。何でそうなったかは知らないけどね〜」
俺達四人が考えていると、ナルがスラスラとそう口にした。
さすが女に対する知識なら天下一品のナル。
女が気にすることまでちゃんと頭の中に入ってんのか。
多分伊吹達はそういうの気にしない。
と思うけど、やっぱり俺達がそれを知った以上、気にしないというのは何か違う気がする。
「どれも何かなぁ……、いっそ違うやつのほうがいいか」
悩みに悩んだけど、俺の言葉に四人も同じことを思ったようで苦笑いしながら頷いた。
とはいえ、じゃあ何を選ぶべきか。
「お悩み中ですか??」
そのとき、若い男が俺達に声をかけてきた。
そっちに視線を移すと、そこには白いシャツに黒色のスカーフとハンチングを被ったお兄さん。
その下にあるショーウィンドウにはカラフルな丸いもの。
「お悩みならうちの商品すごくオススメですよ」
「マカロンが??」
そこにあったのはマカロン。
確かに女ウケも良さそうだし、実際旨いとも思う。
けど、ホワイトデーにマカロンっていうイメージはあんまりない。
不思議に思って目配せをし合う俺達に、お兄さんはニッコリ笑って言った。
「マカロンには意味があるんですよ。それはーーー」
「決まってよかったなぁ」
「一時はどうなることかと思ったけどね」
帰りの電車の中、息を吐くように呟いた俺の言葉にりょーすけが笑う。
「でも最高のプレゼント選べたよね」
「悩んだ甲斐あったと今なら思うよ」
同意を求めるように言った瀬那の言葉に珍しくカナが素直に頷いた。
「まあでも」
笑い合う俺達に、ナルが口を挟む。
俺達がその続きを促すようにナルを一斉に見ると、ナルはいつもはなかなか見せない真面目な顔で……。
「本番はこれからだから」
「そうだね、決まったからって満足してちゃダメだよね」
「確かに、ボク達の本番は明日だ」
「明日は今日みたいに協力とかし合えないからね」
りょーすけ、瀬那、カナ、と続けて真面目な表情になる。
「そうだな……」
そして俺も。
「それぞれ健闘を祈るぜ」
そう言って拳を突き出すと、四人もそれに拳を合わせる。
互いのこと、そして自分のことを思いながら、俺達はそれぞれ手にした二つのプレゼントが入った袋を、ぎゅっと大切に握った。
