瀬那の声にみんなでそれを見ると、そこには確かに女の子らしいネックレス。


「女の子好きそうだね〜」


「うん、可愛いよね」


「珍しいデザインだよな」


「確かに。でも天然石選べるのとかいいよね」


それを見たナルとリョーは良さそうだと頷き、玲斗は感心したような声を出し、瀬那はそれに笑って頷いた。

確かにオシャレで可愛いと思う、でも玲斗の言う通りなかなか見ないデザイン。

それを不思議に思って店内をキョロキョロと見渡していると。


「あっ」


「カナどうした??」


俺は店の中に貼られていたあるチラシを見つけた。

突然声を出した俺に、玲斗が不思議そうに尋ねる。

その声に三人もネックレスから視線を俺に移した。


「ねえ、このネックレスの形さ、あれじゃない??」


俺は四人に見えるように見つけたチラシを指差す。

そこに書かれていたのは、俺達が見ているこのネックレスについて。

なかなか見ない珍しいデザインだと思っていたそれは、なんと五つ合わせると花の形になるというもの。

つまり、ネックレス一つ一つが五枚の花びらのうちの一枚ずつになっているということ。


「なるほど!、だから逆向きの雫みたいな形だったんだね!」


「一つでも可愛いけど五つで一つ、みたいにできるのか」


チラシを見たリョーと瀬那は納得したように笑う。


「ペアネックレスとかはよくあるけど、こういうのは初めて見るね〜」


「確かに花って五枚の花びらモチーフ多いから、五人じゃねーとできないよな」


続けてナルと玲斗も大きく頷きながら笑う。


「まさに俺達が探していたやつじゃない??」


正直俺は直感とかそういうのは信じないタイプなんだけど、なんかもうこれ以外ありえない気がしていた。

それは、もう探すのとか悩むのとかが面倒になったとかじゃなくて。

そうじゃなくて、あっこれだ、とストンと胸に落ちる感覚になったから。

一瞬で頭に浮かんだ。

俺達が渡して、これを五人の女の子達が付けてくれて、それを見て俺達が笑ってるのを。

一瞬にして想像できてしまったんだ。

キザなことを言うつもりは微塵もないけど、花っていうのが本当に似合うと思ってしまった。


「俺はこれ以外無いと思ってるけど、みんなはどう??」


ネックレスから視線を横に流すと、四人も同じことを考えているということがすぐにわかった。

俺達はお互い頷き合い、それぞれネックレスを手に取る。

そして天然石が置かれている場所に男五人でバカみたいに集まった。