テスト??
何それ美味しいの??
最近の流行りなの??
テストなんて必要ねーだろ。
高校生なら毎回そう考えるよな??




「あー、マジでダルいな……」


俺の定位置であるソファに寝転びながら今日の放課後に配られた紙をヒラヒラさせながら見ていた。


「何??……あぁ、テストか」


俺の手から紙を奪ってそれに目を通した瀬那は何の紙であるかを言った。


「今日からテスト週間だね」


本から目線を上げて笑顔でそう言ったりょーすけ。

霧南はテストの1週間前からテスト週間として部活が休みになったり、授業時間が減ったりする。
今日からテスト週間でバスケ部は休みだ。
libertyは俺達がしたい時にする部活だから、テスト週間も関係ない。


「玲斗、ちゃんと課題しなきゃダメだよ??前のテストの時課題出てないって嘆いてたよ??」


そう言いながら俺の頭に触れようとしたナルの手を素早く叩き落としソファから起き上がった。
後ろで「いったー!」なんて言ってるけど気にしない。


「今回もするの??ここでテスト勉強」


ぼーっと天井を見つめていたカナが俺達へ目線を向けてそう言った。

俺達はいつもテストの度にここで勉強会をしている。
それぞれ得意教科を他の4人に教え、わからないところはその教科が得意なやつが先生役として教える。
そうしていつもテストを乗り切っている。

ちなみに、それぞれ得意な教科は、
りょーすけが文系全般。
瀬那が生物や美術。
ナルが保健。
カナが古典。
俺が体育と日本史。

それから、苦手な教科は、
りょーすけが英語。
瀬那も英語。
ナルが文系全般。
カナが保健。
俺が政治経済。


体育はテストには関係ないからテスト勉強では俺は日本史ちょっと教えるくらい。

おい、今笑ったやつ後で絞めるからな。
日本史教えれるからな、舐めんなよ。


ナルとカナはお互い得意教科と苦手教科が逆だから大抵この2人はお互いに教えあうことが多い。
けど、ナルはいつも赤点ギリだし、カナは保健のみ赤点常習者で補講受けまくってるし。
とにかくあんまり成果はないみたいだ。
別に教え方がヘタとかじゃない。
むしろめっちゃわかりやすい。
ただ、2人が苦手教科を克服しようという意志がないからダメなんだなこれ。



りょーすけと瀬那は2人で英語のワーク頑張って仕上げ、最後に俺達3人が確認する感じだ。
でも、2人共英語が超苦手だから珍解答がめちゃくちゃ多い。

りょーすけは俺やナルに現代国語や社会系を教えてくれるくらい文系が得意なのに、英語はどうもダメらしい。
瀬那は理科系や文系は得意だけど、英語と数学が苦手。こいつ理数科なのに大丈夫なのか??