「そろそろ御参りするために列に並ぼうか」
時計を見るともうすぐ新年を迎える。
御参りをするための列にそろそろ並んだほうがいいみたい。
そう思い提案すると、4人はそれに頷いてくれ、ボク達は御参りをするための列に加わった。
「なんかこうしてliberty揃ってると、一年間のこといろいろ思い出すよね〜」
長い列に並んでいると、ふとナルさんがそんなことを言った。
「今年は修学旅行に3泊4日で行ったね。4日間すっごく楽しかったよ」
リョウキチが思い出しているように両目を閉じた。
そしてそのまま楽しそうな笑みを浮かべる。
確かに修学旅行めちゃくちゃハジけたよな。
「海に行ったよね。みんな高校生とは思えないくらいふざけまくったよね。暑かったけど、まあ、楽しかった」
風が吹いてフワリとカナデの前髪をなびかせた。
それを煩わしいとは思っていないようで、そのまま前髪を風に弄ばせている。
海ね、みんな真っ黒に焼けて痛かったよね。
「霧南祭、今年はliberty解散危機に劇に女装に、とにかく忙しかったよなー。あっもちろん体育祭は燃えたよなっ!」
星空を見上げるように目線を上げたレイ。
星が映ってキラキラしているメガネに負けないくらいの明るい笑顔をした。
今年はバタバタしながらだったけど、やっぱり3日、すごく燃えたよな。
「クリスマス、みんなで一から全部用意して、飾り付けだけじゃなく料理まで作ってさ、ホント良い思い出だよ」
みんなの靴に目を向けるように視線を落としたボク。
円を描くように並ぶ5つの靴に、自然と口元が綻ぶ。
本当に、春夏秋冬、いつでもボク達は何かしら楽しいことばかりをしてきたよね。
いや、5人だから、かな。
「でも、今年一番の思い出は、あの子達に会えたこと」
思い出に浸るボク達4人に、ナルさんが口を開いた。
その言葉に、ボク達は驚いた顔で一気にナルみんのほうに視線を向ける。
「……でしょ⁇」
はぁーっと白い息を空中に吐き、それから優しい微笑みでボク達にそう言った。
それはいつものようにふざけたような口調ではない、真剣なもの。
“あの子達”って、いったい誰のことを言っているの⁇
……なんて、そんなこと、誰一人として口にしない。
みんなそれぞれわかってるから。
なのに、誰一人として“そうだね”と言えないのは、それは、やっぱりボク達がまだまだ男のプライドを捨てられない高校生だから。
今年のことを振り返っていると、辺りからカウントダウンの声が聞こえ始めた。
それはどんどん大きくなっていき、ついには神社に来ている全員分ではないかと思うほどのもの。
「5〜!」
ナルみんが間延びする言い方で。
「4!」
リョウキチが優しく微笑みながら。
「3っ!」
レイが元気良く男気満点で。
「2……」
カナデが珍しく参加して。
「ふっ…… 1」
ボクのカウントが終わった瞬間、辺りはワッ‼︎と声を上げる。
新しい一年が始まったからだ。
「あけましておめでとう」
声を揃えて5人で言えば、誰からともなく笑いが漏れる。
去年はお世話になりました。
どうか今年も変わらずに、よろしくお願いします。
心の中で、そっとみんなに呟いた。
時計を見るともうすぐ新年を迎える。
御参りをするための列にそろそろ並んだほうがいいみたい。
そう思い提案すると、4人はそれに頷いてくれ、ボク達は御参りをするための列に加わった。
「なんかこうしてliberty揃ってると、一年間のこといろいろ思い出すよね〜」
長い列に並んでいると、ふとナルさんがそんなことを言った。
「今年は修学旅行に3泊4日で行ったね。4日間すっごく楽しかったよ」
リョウキチが思い出しているように両目を閉じた。
そしてそのまま楽しそうな笑みを浮かべる。
確かに修学旅行めちゃくちゃハジけたよな。
「海に行ったよね。みんな高校生とは思えないくらいふざけまくったよね。暑かったけど、まあ、楽しかった」
風が吹いてフワリとカナデの前髪をなびかせた。
それを煩わしいとは思っていないようで、そのまま前髪を風に弄ばせている。
海ね、みんな真っ黒に焼けて痛かったよね。
「霧南祭、今年はliberty解散危機に劇に女装に、とにかく忙しかったよなー。あっもちろん体育祭は燃えたよなっ!」
星空を見上げるように目線を上げたレイ。
星が映ってキラキラしているメガネに負けないくらいの明るい笑顔をした。
今年はバタバタしながらだったけど、やっぱり3日、すごく燃えたよな。
「クリスマス、みんなで一から全部用意して、飾り付けだけじゃなく料理まで作ってさ、ホント良い思い出だよ」
みんなの靴に目を向けるように視線を落としたボク。
円を描くように並ぶ5つの靴に、自然と口元が綻ぶ。
本当に、春夏秋冬、いつでもボク達は何かしら楽しいことばかりをしてきたよね。
いや、5人だから、かな。
「でも、今年一番の思い出は、あの子達に会えたこと」
思い出に浸るボク達4人に、ナルさんが口を開いた。
その言葉に、ボク達は驚いた顔で一気にナルみんのほうに視線を向ける。
「……でしょ⁇」
はぁーっと白い息を空中に吐き、それから優しい微笑みでボク達にそう言った。
それはいつものようにふざけたような口調ではない、真剣なもの。
“あの子達”って、いったい誰のことを言っているの⁇
……なんて、そんなこと、誰一人として口にしない。
みんなそれぞれわかってるから。
なのに、誰一人として“そうだね”と言えないのは、それは、やっぱりボク達がまだまだ男のプライドを捨てられない高校生だから。
今年のことを振り返っていると、辺りからカウントダウンの声が聞こえ始めた。
それはどんどん大きくなっていき、ついには神社に来ている全員分ではないかと思うほどのもの。
「5〜!」
ナルみんが間延びする言い方で。
「4!」
リョウキチが優しく微笑みながら。
「3っ!」
レイが元気良く男気満点で。
「2……」
カナデが珍しく参加して。
「ふっ…… 1」
ボクのカウントが終わった瞬間、辺りはワッ‼︎と声を上げる。
新しい一年が始まったからだ。
「あけましておめでとう」
声を揃えて5人で言えば、誰からともなく笑いが漏れる。
去年はお世話になりました。
どうか今年も変わらずに、よろしくお願いします。
心の中で、そっとみんなに呟いた。
