俺、松岡成海は、libertyのメンバーが女の子達にプレゼントを渡せるようにとクリスマスパーティーに呼び、そして俺自身もちゃんと渡せて満足。
さあ、そろそろ帰ろうかとしていた。
はずだったんだけどな~……。
「………」
無言で睨み付けてくる中学生の男。
この状況は一体何なんだろうか……。
思い返すと数分前……。
「棗!」
「はっ??」
蛍ちゃんを家まで送り届け、“マイスウィートハニー”なんていつも調子で言っていたとき、突然背後から声がした。
蛍ちゃんがその声に“棗”と呼んだことで俺も振り返ると、そこにいたのは中学生。
蛍ちゃんの話によると、どうやら中学2年生の弟の棗(なつめ)君らしい。
「姉ちゃんこんなところにいたら風邪引くよ??さっ中に入ろう??あっ、まだ父さんも母さんも帰ってないんだよ」
「あの~、じゃあ俺はこのへんで……」
何か嫌な予感がして早々に立ち去ろうとしていたそのとき。
「何でですか、寄って行ってくださいよ……いろいろ聞きたいことあるし……」
「あ、はい」
目が据わっていて怖いんだけど。
まあ、こんな感じで今に至るわけなんだけど~……。
今蛍ちゃんはお茶を入れに行ってくれている。
そんなさっきまでいた蛍ちゃん相手にはあんなにいい弟だったってのに、今俺の目の前にいるのはそんな姿を微塵も感じさせない黒いオーラを放った棗君。
「……アンタさあ、誰」
正直今すぐ帰りたいんですけど。
そう思っていたとき、ようやく目の前の棗君は口を開いてくれた。
口調はさっきまでと明らかに違うけど。
「俺は松岡成っ……」
「いや、姉ちゃんに近付く男は興味ないんで名前とか別にいいよ、どうせ覚えないし」
ペッと唾を吐くように言った棗君。
いや落ち着け俺。
こんなときこそ年上の余裕というもの見せ付けるとき!!
そう思った俺は引きつりそうになりつつも何とかニッコリ笑って見せた。
「えっ、突然何……気持ち悪っ……」
さあここで問題。
俺の今の気持ちを8文字以内で答えよ、ただし記号なども含まれます。
さて、正解は……。
「(このクソガキ!!)」
でした。
「(もともと俺だって男になんて興味ないっつーの!!それを蛍ちゃんの弟だって言うから我慢してたってのに!!ってか俺超イケメンだから!!この笑顔によろめかない女の子なんていないんだからな!!それなのにこのクソガキ!!)」
額に青筋ができ、内心荒れまくってはいるが、それでも意地になり、俺はニッコリと笑顔を浮かべ続けた。
「俺が聞きたいことは1つだけ、アンタ姉ちゃんの彼氏??……」
“場合によっては殺す”と言わんばかりの迫力。
つまりあれだね、いろいろ思い返して考えた結果……。
「棗君シスコンか~」
「それが何??ってか名前呼ぶな。いいから早くNOだけ言え」
俺の言葉を諸ともせずにその切り返し。
これ重度のシスコンだ。
しかもすでに選択肢は1つのみっていうね。
そりゃあ確かに彼氏とかじゃないんだけど~……。
「ん~……ヒ・ミ・ツ」
ここは面白そうだからはぐらかしとこう。
そう思いパチンとウィンク付きで返した。
「おえーー」
こいつっ!!……。
真顔で吐いたふりしてんじゃねーよっ!!……。
「仮に、もし仮に、地球が滅んでも有り得てはいけないけど仮に」
どんだけ仮になの。
「姉ちゃんがアンタと付き合っていたとしたら、俺はアンタみたいな遊んでそうなやつ認めない」
「っ!!」
強い眼差し。
俺はその言葉がグサリと胸に突き刺さったのがわかった。
「……棗君」
「っていうか姉ちゃんに近付く男は全員認めない、死ねばいい」
「おいっ!!」
「お待たせしました」
結局誰でも関係なく蛍ちゃんに近付く男は抹殺計画を言われただけじゃん!!
そう言おうと口を開いた瞬間、ちょうど蛍ちゃんがお茶を運んできた。
「あはは、松岡さんってば面白い!僕も松岡さんみたいな兄ちゃん欲しかったなぁ。あっ姉ちゃん、重かったでしょ??僕が運ぶよ」
「!?」
突然の棗君の変貌に俺はギョッと目を見開く。
けれど蛍ちゃん限定でこれが普段の棗君らしく、蛍ちゃんは特に驚いた様子もない。
偶然の遭遇を果たした棗君は、重度のシスコンでとにかく姉ちゃんLOVEな子だった。
蛍ちゃんのデレはごくまれに見ることができるけど、棗君のデレは蛍ちゃんにのみ向けられているらしい。
そして今も蛍ちゃんにバレないように俺を睨みつけるの止めてくれませんか。
こうして俺達は自分のことで精一杯で、まさか他のメンバーも大変な目に遭っているなんて知る由もなかった。
俺達にとって今年のクリスマスは、いろんな意味で記憶に残る、そんなクリスマスでした。
さあ、そろそろ帰ろうかとしていた。
はずだったんだけどな~……。
「………」
無言で睨み付けてくる中学生の男。
この状況は一体何なんだろうか……。
思い返すと数分前……。
「棗!」
「はっ??」
蛍ちゃんを家まで送り届け、“マイスウィートハニー”なんていつも調子で言っていたとき、突然背後から声がした。
蛍ちゃんがその声に“棗”と呼んだことで俺も振り返ると、そこにいたのは中学生。
蛍ちゃんの話によると、どうやら中学2年生の弟の棗(なつめ)君らしい。
「姉ちゃんこんなところにいたら風邪引くよ??さっ中に入ろう??あっ、まだ父さんも母さんも帰ってないんだよ」
「あの~、じゃあ俺はこのへんで……」
何か嫌な予感がして早々に立ち去ろうとしていたそのとき。
「何でですか、寄って行ってくださいよ……いろいろ聞きたいことあるし……」
「あ、はい」
目が据わっていて怖いんだけど。
まあ、こんな感じで今に至るわけなんだけど~……。
今蛍ちゃんはお茶を入れに行ってくれている。
そんなさっきまでいた蛍ちゃん相手にはあんなにいい弟だったってのに、今俺の目の前にいるのはそんな姿を微塵も感じさせない黒いオーラを放った棗君。
「……アンタさあ、誰」
正直今すぐ帰りたいんですけど。
そう思っていたとき、ようやく目の前の棗君は口を開いてくれた。
口調はさっきまでと明らかに違うけど。
「俺は松岡成っ……」
「いや、姉ちゃんに近付く男は興味ないんで名前とか別にいいよ、どうせ覚えないし」
ペッと唾を吐くように言った棗君。
いや落ち着け俺。
こんなときこそ年上の余裕というもの見せ付けるとき!!
そう思った俺は引きつりそうになりつつも何とかニッコリ笑って見せた。
「えっ、突然何……気持ち悪っ……」
さあここで問題。
俺の今の気持ちを8文字以内で答えよ、ただし記号なども含まれます。
さて、正解は……。
「(このクソガキ!!)」
でした。
「(もともと俺だって男になんて興味ないっつーの!!それを蛍ちゃんの弟だって言うから我慢してたってのに!!ってか俺超イケメンだから!!この笑顔によろめかない女の子なんていないんだからな!!それなのにこのクソガキ!!)」
額に青筋ができ、内心荒れまくってはいるが、それでも意地になり、俺はニッコリと笑顔を浮かべ続けた。
「俺が聞きたいことは1つだけ、アンタ姉ちゃんの彼氏??……」
“場合によっては殺す”と言わんばかりの迫力。
つまりあれだね、いろいろ思い返して考えた結果……。
「棗君シスコンか~」
「それが何??ってか名前呼ぶな。いいから早くNOだけ言え」
俺の言葉を諸ともせずにその切り返し。
これ重度のシスコンだ。
しかもすでに選択肢は1つのみっていうね。
そりゃあ確かに彼氏とかじゃないんだけど~……。
「ん~……ヒ・ミ・ツ」
ここは面白そうだからはぐらかしとこう。
そう思いパチンとウィンク付きで返した。
「おえーー」
こいつっ!!……。
真顔で吐いたふりしてんじゃねーよっ!!……。
「仮に、もし仮に、地球が滅んでも有り得てはいけないけど仮に」
どんだけ仮になの。
「姉ちゃんがアンタと付き合っていたとしたら、俺はアンタみたいな遊んでそうなやつ認めない」
「っ!!」
強い眼差し。
俺はその言葉がグサリと胸に突き刺さったのがわかった。
「……棗君」
「っていうか姉ちゃんに近付く男は全員認めない、死ねばいい」
「おいっ!!」
「お待たせしました」
結局誰でも関係なく蛍ちゃんに近付く男は抹殺計画を言われただけじゃん!!
そう言おうと口を開いた瞬間、ちょうど蛍ちゃんがお茶を運んできた。
「あはは、松岡さんってば面白い!僕も松岡さんみたいな兄ちゃん欲しかったなぁ。あっ姉ちゃん、重かったでしょ??僕が運ぶよ」
「!?」
突然の棗君の変貌に俺はギョッと目を見開く。
けれど蛍ちゃん限定でこれが普段の棗君らしく、蛍ちゃんは特に驚いた様子もない。
偶然の遭遇を果たした棗君は、重度のシスコンでとにかく姉ちゃんLOVEな子だった。
蛍ちゃんのデレはごくまれに見ることができるけど、棗君のデレは蛍ちゃんにのみ向けられているらしい。
そして今も蛍ちゃんにバレないように俺を睨みつけるの止めてくれませんか。
こうして俺達は自分のことで精一杯で、まさか他のメンバーも大変な目に遭っているなんて知る由もなかった。
俺達にとって今年のクリスマスは、いろんな意味で記憶に残る、そんなクリスマスでした。