確かにぼく達って小早川さん達とどういう関係なんだろうね。

過去を知っている小早川さんはぼくの中ではすでにただの友達ではなくなっている。

だからってじゃあ親友かと聞かれると、親友であるlibertyのみんなと小早川さんでは明らかに違う。

逆に後輩の女の子というほどもうそんなに遠い存在ではない。

改めて思うと、ぼくと小早川さんの関係は何て名前を付ければいいんだろう……。


「やっぱり自分達で考えなきゃいけないってことだね」


ぼくと同じように、どんな関係なのかを考えていたのか、4人もどことなくぼーっとしていた。

そんな4人にそう言葉をかけると、ハッとしたようにぼくの方を見てからゆっくりと頷いた。


ぼく達は再びあちこちを見て回り、あれはこれはと相談。

だけどどれもイマイチピンとこなくて大苦戦。

女の子大好きナルでさえお手上げ状態。

クリスマスプレゼントを選ぶのがこんなに大変なんてね……。

そう思い、諦めかけていた。

そのとき。


「あっ……」


クリスマスらしいある物を見つけた。

それはどうやらぼくだけじゃないみたいで、4人もそれを見ていた。


「ねえ、あれ……」


ぼくの言葉に4人も笑顔で頷き、ぼく達はそれの近くへ行った。


「これならあげてもおかしくないよな」


「うん、こういうの女の子好きそうだしね」


1つ手に取ってそう言ったレイとセナ。


「クリスマスっぽいよね」


「可愛いしいいね~」


カナデとナルもそれぞれ1つずつ手に取ってそれを見つめる。


「それじゃあこれにしようか」


ぼく達はそれぞれ手に取って会計をしに行った。

それからぼく達は1階の食品売り場でパーティーの食材を買いショッピングモールを後にした。


「明日のパーティーのとき女の子へのプレゼント持ってきてね~」


帰り道、大量の荷物を分担して持って帰っているとき、ナルがそんなことを言った。

明日会うわけでもないのになぜ??

そう思いみんなナルの言葉に不思議そうな顔をする。


「みんなでメッセージカード書こうよ、ねっ??」


まあそれなら。

そう思い、ナルの言葉に頷く。

小早川さんへのプレゼントは壊さないようにと鞄の中へ入れている。

それはぼくだけじゃなくて他の4人も同様に。

喜んでくれるといいな。

小早川さんの笑顔を思い浮かべると何だか楽しくなってくる。


「ジングルべールッジングルべールッ鈴がー鳴るー♪」


「鈴のーリズムにーひかりの輪が舞っうー♪」


「ジングルベ~ルジング~ル鈴が~鳴る~♪」


ぼくとカナデの前を歩くレイとセナとナルはまた楽しそうに歌い出す。


「まったく……、どんだけ子供なんだか」


そう言ってため息をつくカナデもどこか楽しそうに口角を上げて、今度は怒らない。


「でも楽しいよね、こうしてみんなでイヴを過ごすのって」


クリスマス・イヴである今日、ショッピングモールにはカップルが多かった。

カップルばかりの中、男だけのぼく達は浮いていたかもしれない。

だけど、libertyのみんなとならそれも全然気にならない。

むしろ、こうして過ごすことが楽しいと思う。

外はクリスマスのイルミネーションで明るい。

それに負けないくらい、ぼく達の気持ちも明るかった。