誰にも言ったこともないし、これからも言うつもりもなかった。
それなのに、簡単に言い当てられた。
俺はただただ驚きで言葉を失った。
「ナル??……」
「……りょう……このことは……誰にも言わないでね」
「……わかった」
俺のただならぬ雰囲気を感じたのか、りょうは簡単に了承し、それ以降、この話を持ち出すことはなかった。
日に日に募る先生への思い。
それに耐えられなくなり、ついに行動に出たのは卒業式の日。
libertyのみんなと後で再会しようと約束、それぞれ行きたいところに散らばった。
俺はもちろん先生がいるであろう音楽室へ。
「多部先生」
そこにはいつもと変わらぬ笑顔の先生がいた。
「先生、ピアノ弾いて??」
何度も聴いてきたピアノの音。
これが最後なんて嫌だ。
もっと聴いていたい。
もっと傍にいたい。
抑えられない感情に身を任せ、曲が終わる前に、俺はその手を取っていた。
「松岡君??……」
突然鍵盤から手を離されて驚いた顔をする先生。
この人の全てが欲しい。
「先生、俺……っ!!?」
そのとき気付いてしまった。
昨日までそこになかったはずのものに。
「その……指輪……」
小指に付けられたエンゲージリング。
明らかにペアリングだ。
「えっ??あっ!外すの忘れてた!いつも学校では無くさないようにって外して来るのに」
“いつも”??
それはつまり、本当はもっと前からそこにあったということ。
「誰から??……」
聞かなくてもわかる。
それなのに、子供な俺はそれを聞かずにはいられなかった。
「彼氏からよ、もう付き合って5年になるの」
頬を染めて笑う先生。
俺の中で初恋が終わった瞬間だった。
それからというもの、俺は一気に狂いだした。
年上だろうと年下だろう関係なく、以前よりも女の子をとっかえひっかえ。
いつも先生を忘れるため、誰かで埋めようと必死。
「先生今度のデートはどこ行くの~??え~すごいじゃん!彼氏やるね~!」
それなのに、卒業式のあの日に先生と交換した電話番号で先生と定期的に連絡を取り合っていた。
忘れたくて他人で埋める。
なのに先生と縁を切ることをしない。
矛盾している。
わかってるのに俺はそれを繰り返す。
りょうだけじゃなく、libertyのみんなはこれを全部知っている。
みんなの傷を知っているのに、俺だけ言わないなんて不公平でしょ??
そんな言い訳をして矛盾する俺の行動を正当化させたかっただけ。
みんなはそんな俺をよくわかっていたから、何も言わなかった。
ただそっと傍で見つめていてくれた。
俺はそれがありがたかった。
暴走する俺自身を堕ちるところまで堕としてしまいたかったから。
そしてそれは高2の4月上旬、13人目に振られてから幕を閉じた。
それなのに、簡単に言い当てられた。
俺はただただ驚きで言葉を失った。
「ナル??……」
「……りょう……このことは……誰にも言わないでね」
「……わかった」
俺のただならぬ雰囲気を感じたのか、りょうは簡単に了承し、それ以降、この話を持ち出すことはなかった。
日に日に募る先生への思い。
それに耐えられなくなり、ついに行動に出たのは卒業式の日。
libertyのみんなと後で再会しようと約束、それぞれ行きたいところに散らばった。
俺はもちろん先生がいるであろう音楽室へ。
「多部先生」
そこにはいつもと変わらぬ笑顔の先生がいた。
「先生、ピアノ弾いて??」
何度も聴いてきたピアノの音。
これが最後なんて嫌だ。
もっと聴いていたい。
もっと傍にいたい。
抑えられない感情に身を任せ、曲が終わる前に、俺はその手を取っていた。
「松岡君??……」
突然鍵盤から手を離されて驚いた顔をする先生。
この人の全てが欲しい。
「先生、俺……っ!!?」
そのとき気付いてしまった。
昨日までそこになかったはずのものに。
「その……指輪……」
小指に付けられたエンゲージリング。
明らかにペアリングだ。
「えっ??あっ!外すの忘れてた!いつも学校では無くさないようにって外して来るのに」
“いつも”??
それはつまり、本当はもっと前からそこにあったということ。
「誰から??……」
聞かなくてもわかる。
それなのに、子供な俺はそれを聞かずにはいられなかった。
「彼氏からよ、もう付き合って5年になるの」
頬を染めて笑う先生。
俺の中で初恋が終わった瞬間だった。
それからというもの、俺は一気に狂いだした。
年上だろうと年下だろう関係なく、以前よりも女の子をとっかえひっかえ。
いつも先生を忘れるため、誰かで埋めようと必死。
「先生今度のデートはどこ行くの~??え~すごいじゃん!彼氏やるね~!」
それなのに、卒業式のあの日に先生と交換した電話番号で先生と定期的に連絡を取り合っていた。
忘れたくて他人で埋める。
なのに先生と縁を切ることをしない。
矛盾している。
わかってるのに俺はそれを繰り返す。
りょうだけじゃなく、libertyのみんなはこれを全部知っている。
みんなの傷を知っているのに、俺だけ言わないなんて不公平でしょ??
そんな言い訳をして矛盾する俺の行動を正当化させたかっただけ。
みんなはそんな俺をよくわかっていたから、何も言わなかった。
ただそっと傍で見つめていてくれた。
俺はそれがありがたかった。
暴走する俺自身を堕ちるところまで堕としてしまいたかったから。
そしてそれは高2の4月上旬、13人目に振られてから幕を閉じた。
