「りょーすけナルなんてもうほっとけ、次視力検査行くか」


「そうだね、行くよリョー」


不機嫌そうな顔をしながらレイとカナデの2人は歩いて行く。
ぼくは返事をし追いかけて行く。


「ボクそんなにいじってないのに除け者扱い!?」


「ちょっと待ってよ!悪かったって!」


セナとナルはそう叫びながら走って来た。





「先生……」


「松岡君……」


「先生っ」


「早く視力検査の準備しなさい!!」


視力検査の場所へ行くやいなや、担当の若い女の先生の手を握り、口説きだしたナルに怒った先生。
「照れ屋なんだから~」なんて言って離れて行くナルの頭をスリッパで叩いたセナ。
なんだかすごくいい音だった。


「見えませーん」


「これは??」


「見えませーん」


「じゃあこれは??」


「俺の未来が見えませーん」


パーーン!!。


「瀬那超いてーっ」


「もういいんだよ!ナルだけじゃなくてレイまでいちいちボケるな!視力検査のとこで何分いるつもりだよ!!」


「何か瀬那が頑張ってるよ、1人でツッコミご苦労様」


早く視力検査を済ませ、ぼくの横でしゃかんでいたカナデはニヤニヤ笑いながらさっきの仕返しとばかりにそう言った。


「セナにめちゃくちゃ睨まれてるよ」


「リョー、俺が瀬那なんかにビビると思う??……あ??何見てんのかな??」


セナの顔を見てカナデにそう伝えたぼくにカナデはぼくを見上げるよう顔を上げ笑顔で答えた後、セナの方へ顔を向けさっきとは違う笑顔を向けた。
その笑顔を見たセナは全力で土下座をした。
いつ見てもセナの土下座はキレイなフォームだ。



「これで全部終わったね」


視力検査の後、他の検査や測定も終わらせたぼく達。
廊下を歩きながらぼくがそう言うとレイは携帯を見て時間を確認した。


「それにしても終わるの早くね??」


レイが画面をこちらに向けたのでそれを見てみると、確かに予定より40分も早かった。


「何かやってないやつあるか??」


「えーっと……いや、全部終わってるはずだよ」


セナが尋ねると、ナルは予定が書かれている紙を取り出して見てそう言った。

ぼく達がなぜだろうと考えいると、1人の先生が通りかかった。


「あら、どうしたの??今は身体測定中でしょ??」


「あっいえ、実は……」


ぼくが先生にさっきまで話していたことを伝えると、先生は「あぁ」と手を叩いた。


「それなら、保健室へ行きなさい、まだ後1つ残っているから」


先生にそう言われ、ぼく達は保健室へ向かった。