「何を彫ってもらう??」
「この細さじゃ絵はムリだしね~」
それぞれストラップを手にすると、カナデがそう質問した。
ナルさんは考えるように天井を見つめる。
「じゃあ文字だな」
「英語のほうがかっこいいよね」
ナルさんの言葉にレイとリョウキチが提案した。
「それじゃあもう決まりだ!」
もうこれしかないよな。
「これナルとセナがバスの中でポッキーゲームしたやつだよね」
「りょう、その話禁句!思い出すだけで俺吐き気が……」
大阪旅行から帰ってきて2日目の月曜日。
ボク達は撮った写真を見ながらlibertyの部室で思い出に浸っている。
「ナルさん酷い!そんなのボクだって一緒なのに!!」
「アッハッハ!!お前達の顔の死にような!マジウケるわ!」
「玲斗、笑ったらかわいそっ……ククッ」
日帰りだったけど本当に楽しかった。
今度は泊まりで行きたいな。
「玲斗~そろそろバスケ部行こうか~。ちゃんとぬいぐるみ持った~??」
「持った持った。んじゃ、俺達バスケ部行ってくる」
そんな風に盛り上がっていると、そろそろ時間が来たようで、ナルさんとレイは小鳥遊さんと伊吹さんに渡すお土産のぬいぐるみを持って立ち上がった。
「ぼくも武道場行かなきゃ。セナもこれから美術室??」
「うん。トナミちゃんにこれ渡しに行かないとね」
続くように、リョウキチとボクも小早川さんとトナミちゃんに渡すためのお土産を持って立ち上がった。
「俺はもう少ししてから行こうかな。たぶんまだお菓子作ってるところだろうし」
そう言って神崎さんに渡すためのぬいぐるみをポンポンと優しく叩いたカナデ。
「トナミちゃん喜んでくれるかな」
誰もいない廊下に独り言のようにそう呟きながら美術室へと向かう。
「ちゃんと仲直りしたって報告しないと」
携帯を取り出してシルバーのストラップを見る。
それは大阪でお揃いに買ったストラップ。
もちろんそこに書かれているのは……。
「liberty」
あのケンカのおかげで、ボク達は前よりも仲良くなったと思う。
そしてそれは、ボク達にとってすごく嬉しいこと。
だってボク達はお互いの存在を本当に大切に思っているから。
「あっ、忘れ物した」
何て恥ずかしいから絶対お互いに言わないけど。
揺れるシルバーのストラップをポケットに戻し、ボクは忘れ物を取りに部室へ戻った。
「あれ、カナデまだ行ってなかったんだ??」
部室に戻るとそこにはソファーに座るカナデがいた。
「カナデ??……」
ボクの言葉に無反応。
もしかして寝ているのか??
長い前髪で隠れていてそれが全くわからない。
「……瀬那」
近付こうと思い一歩踏み出した瞬間、寝ていると思っていたカナデは起きていたみたいで、ゆっくりボクの名前を呼んだ。
「どうしたのカナデ……カナデ??……」
呼ばれたのに対して返事をし、カナデの近くに行く。
すると、どこかいつものカナデじゃない。
何かが違う。
「ごめん、俺そろそろ瑠美ちゃんのところ行ってくる……それから今日はそのまま帰るから」
「えっ!?カナデッ……」
突然立ち上がり、ボクの呼び止めた声も無視して扉を閉めた。
カナデに何かがあった。
ボクにわかったのはそれだけ。
「風が……強くなってる」
ガタガタと窓に叩きつける風はいったい何を運んできたんだ。
ポケットにあるシルバーのストラップをギュッと握りしめ、何も起こらないことをただただ祈った。
「この細さじゃ絵はムリだしね~」
それぞれストラップを手にすると、カナデがそう質問した。
ナルさんは考えるように天井を見つめる。
「じゃあ文字だな」
「英語のほうがかっこいいよね」
ナルさんの言葉にレイとリョウキチが提案した。
「それじゃあもう決まりだ!」
もうこれしかないよな。
「これナルとセナがバスの中でポッキーゲームしたやつだよね」
「りょう、その話禁句!思い出すだけで俺吐き気が……」
大阪旅行から帰ってきて2日目の月曜日。
ボク達は撮った写真を見ながらlibertyの部室で思い出に浸っている。
「ナルさん酷い!そんなのボクだって一緒なのに!!」
「アッハッハ!!お前達の顔の死にような!マジウケるわ!」
「玲斗、笑ったらかわいそっ……ククッ」
日帰りだったけど本当に楽しかった。
今度は泊まりで行きたいな。
「玲斗~そろそろバスケ部行こうか~。ちゃんとぬいぐるみ持った~??」
「持った持った。んじゃ、俺達バスケ部行ってくる」
そんな風に盛り上がっていると、そろそろ時間が来たようで、ナルさんとレイは小鳥遊さんと伊吹さんに渡すお土産のぬいぐるみを持って立ち上がった。
「ぼくも武道場行かなきゃ。セナもこれから美術室??」
「うん。トナミちゃんにこれ渡しに行かないとね」
続くように、リョウキチとボクも小早川さんとトナミちゃんに渡すためのお土産を持って立ち上がった。
「俺はもう少ししてから行こうかな。たぶんまだお菓子作ってるところだろうし」
そう言って神崎さんに渡すためのぬいぐるみをポンポンと優しく叩いたカナデ。
「トナミちゃん喜んでくれるかな」
誰もいない廊下に独り言のようにそう呟きながら美術室へと向かう。
「ちゃんと仲直りしたって報告しないと」
携帯を取り出してシルバーのストラップを見る。
それは大阪でお揃いに買ったストラップ。
もちろんそこに書かれているのは……。
「liberty」
あのケンカのおかげで、ボク達は前よりも仲良くなったと思う。
そしてそれは、ボク達にとってすごく嬉しいこと。
だってボク達はお互いの存在を本当に大切に思っているから。
「あっ、忘れ物した」
何て恥ずかしいから絶対お互いに言わないけど。
揺れるシルバーのストラップをポケットに戻し、ボクは忘れ物を取りに部室へ戻った。
「あれ、カナデまだ行ってなかったんだ??」
部室に戻るとそこにはソファーに座るカナデがいた。
「カナデ??……」
ボクの言葉に無反応。
もしかして寝ているのか??
長い前髪で隠れていてそれが全くわからない。
「……瀬那」
近付こうと思い一歩踏み出した瞬間、寝ていると思っていたカナデは起きていたみたいで、ゆっくりボクの名前を呼んだ。
「どうしたのカナデ……カナデ??……」
呼ばれたのに対して返事をし、カナデの近くに行く。
すると、どこかいつものカナデじゃない。
何かが違う。
「ごめん、俺そろそろ瑠美ちゃんのところ行ってくる……それから今日はそのまま帰るから」
「えっ!?カナデッ……」
突然立ち上がり、ボクの呼び止めた声も無視して扉を閉めた。
カナデに何かがあった。
ボクにわかったのはそれだけ。
「風が……強くなってる」
ガタガタと窓に叩きつける風はいったい何を運んできたんだ。
ポケットにあるシルバーのストラップをギュッと握りしめ、何も起こらないことをただただ祈った。