「ジンベエザメのところで写真撮ってお土産見に行こうか」


あの後しばらくして帰ってきた4人と、今度はちゃんと5人で行動した。

騒ぎすぎてたぶん他のお客さんの迷惑になっていただろうけど。


最後にジンベエザメのところで5人で写真を撮りお土産コーナーに行った。


「見てみて~このサメ、蛍ちゃんみたいだよね~」


いろいろ見ていると、ナルさんが嬉しそうに笑いながらサメのぬいぐるみを持って来た。

「俺このぬいぐるみ買おうかな~」


デカいナルみんがぬいぐるみを抱きしめる光景は何ともカオス。

でも顔がいいから、周りの女性客はキャッキャッ言ってるよ。


「えっ……ナル嘘でしょ??……」


「小鳥遊ちゃんに似てるから買うってそれ……」


そんなナルさんに有り得ないという顔をしてヒソヒソ話し出すカナデとレイ。


「違う違う!!自分用じゃなくて蛍ちゃん用ね!!」


2人に慌ててそう言い直すナルさん。

完全にカナデとレイはナルみんをいじってるよな。


「なんだ、てっきりナルが小鳥遊さんに似ているぬいぐるみを部屋に置く、なんて変態っぽいことするのかと思った」


だけど天然なリョウキチは安心したように笑いながらわざわざ言わなかったことを言った。


「リョウキチ、ナルさん死んだよ」


ナルさんはそんなリョウキチの言葉に倒れ込み、カナデとレイは爆笑している。

リョウキチは意味が分からないようで首を傾げている。

うん、天然って怖い。


「くっ……笑ってんじゃないよ!お前達も女の子へのお土産探しなよ!」


しかし幼なじみだから天然リョウキチの言葉には慣れているのか、すぐに立ち上がったナルみんは未だ笑うカナデとレイ、不思議そうに首を傾げていたリョウキチ、そんな光景を見ていたボクを指差した。


「ケンカしたとき迷惑かけたでしょ!」


確かにナルさんの言うとおり。

正直ケンカしたボク達のとばっちりを受けたり、相談に乗ってくれたりして迷惑かけた。


「そうだな、トナミちゃんにお土産買って帰ろ。みんなもそれぞれ買って帰ろうよ」


ナルさんの言葉に頷いて、3人にもそう言うと、どうやら同じ風に思ったみたいで、笑いながら頷いた。


そしてリョウキチはペンギンのぬいぐるみ。

レイはイルカのぬいぐるみ。

ボクはシャチのぬいぐるみ。

カナデはアザラシのぬいぐるみ。

ナルさんはホホジロザメのぬいぐるみをそれぞれ購入した。