「大阪到着ー!!」


「玲斗の低血圧治るの早い……」


バスから降りた瞬間走り回るレイ。

カナデは欠伸をしながらレイのフードを掴んで止まらせた。


「玲斗大阪来たからテンション高くなって普段の低血圧も今日は治るの早くなってるんだね~」


「それより、レイの首締まってるよカナデ」


ヘラヘラ笑いながら「ね~玲斗~」と言うが無視されるナルさん。

苦笑いでそう言ったリョウキチの言うとおり、レイは苦しそうに首を押さえている。


「はいはい、とりあえず今から海遊館行くよ。昼からはアメリカ村行って昼食と買い物」


OK??

そう続けると、4人は小学生みたいに手を挙げて「はーい」と言った。

どうやら楽しみみたいでテンション高いや。




「すごいね!いっぱい魚いるよ!」


開演と同時に入場したボク達。

入るやいなや、リョウキチは天使の微笑みではなく、幼くテンション高く笑っている。


「普段大人しいリョウキチがこんなにテンション高いなんてなかなかないな。だよねレイ……ってあれ??」


レイに話を振ったのに、さっきまで隣にいたレイが姿を消している。

どこに行ったのだろうとキョロキョロ見渡すと、


「マンタってマジ腹のとこ顔みてーになってる!!めっちゃ笑い顔じゃん!!」


ヒラヒラと泳ぐ大きなマンタを見て爆笑していた。


「レイ周りにお客さんいるのに笑いすぎ……ねえナルさん……ってあれ??」


今度はナルさんに振った。

なのに今度はナルさんがいない。

どこに行ったんだとまたキョロキョロ見渡すと、


「へ~、今日君達2人だけで来てるんだ~。こんな可愛いんだからナンパされないようにね~」


2人の女の子に声をかけて盛り上がっていた。

海遊館来たんだからせめて魚見ろよ。


「ナンパされないようにって、ナルみんがしてるじゃんねカナデ……ってまたか」


今度はカナデ。

いったいどこに行ったんだ。

またまたキョロキョロ見渡すと、


「ほらこっちおいでよ。そう、いい子だね。………海月飼いたい」


なぜか水槽内の海月を手懐けていた。

ここペットショップじゃないからな。

ってか、


「お前達自由すぎたろ」


まあ、楽しんでいるみたいでよかったけど。