「詩音ちゃん今日誕生日だよね??」


「おめでとう詩音ちゃん!」


空になったボトルを洗っているとマネージャーの先輩達から突然お祝いの言葉をもらった。


「ありがとうございます」


知っていてくれたことが嬉しくて、つい照れたように笑ってしまう。

そんな風に先輩達と会話をしていると近くにいた他の先輩達も言葉をくれた。

私の誕生日を知らない人からもこうして祝ってもらえるなんて思わなくて、私はすごく嬉しく思った。




それから部活が終わり、私も蛍達の待つ教室へ向かった。


「お疲れ様詩音」


扉を開けると椅子に座って話していた舞璃が私に気付いて立ち上がった。


「空手部も屋内だから今の時期涼しくていいよね」


同じく立ち上がったのは舞璃の向かいに座って話していた蛍。


「文化部はちょっと寒いくらいだけどね」


そして黒板にチョークで落書きをしていたらしい杏奈も私に気付いてチョークを置いた。


「ふふっ、確かにそうかも」


杏奈の絵を教壇の上で見ていた瑠美も、下りてこちらに歩いてきた。


「遅くなっちゃった??ごめんね」


すでに4人が揃っていたため、だいぶ待たせたんじゃないかと申し訳なく思う。

だけど4人はキョトンとした後笑って首を横に振った。


「えっ、えっ??」


それがよくわからなくて私は1人戸惑ってしまう。


「詩音誕生日おめでとう!!」


声を揃えて言った4人の言葉に私はただ目を見開いて固まってしまった。

だってまさか4人が私のためにこうして祝ってくれるなんて思ってもみなかったから。


そんな風に驚きと感動で固まってしまっている私に、4人はそれぞれプレゼントを渡してくれた。


「本当にありがとう、とっても嬉しい」


やっと感謝の言葉を言えた私に、4人はとてもかわいい満面の笑みをくれた。

それを見て、私もつられて満面の笑みを返した。

手には4人からもらったプレゼントを抱えて。