何でこんなんになっちまったんだろう。
「勝手にどこでも行けば??俺屋上行くしー」
そう言ってキレてドアを蹴って開けたのは10分前。
俺は……つか俺達は、libertyの5人全員でケンカをした。
理由なんて覚えてねーけど、気付いたら言わなくていいことまで言っちまってて、大きなケンカになっていた。
「つまんねー……」
放課後1人の屋上はなんてつまらないんだろう。
普段ならこんなこと別に思わねーのに。
「やっと見つけました」
「っ!!……伊吹……」
いつの間に屋上にやってきていたのか知らないが、寝転がる俺を見下ろしているのは困ったような顔をした伊吹だった。
「見つかったか!」
今はバスケ部の部活中。
それなのに部活にいない俺をわざわざマネージャーの伊吹が探しに来てくれたらしい。
だけど今はバスケ部に行きたくない。
行ったら絶対他のヤツに当たってしまうから。
意地っ張りな俺はケンカして苛ついているのを悟られたくなくて、わざわざ来てくれた伊吹にヘラヘラ笑って見せることしかできない。
「岡本先輩……」
「どした??」
「……いえ」
俺の名前を呼んで何かを言いかけた。
だけどすぐに口を閉じて首を横に振る。
俺はそれを不思議に思って首を傾げた。
「いぶっ」
「それより、あたしこの時間に屋上来たの初めてです。貸し切りみたいでいいですね」
「えっ??あっ、ああ……」
どうしたのか尋ねようと思って名前を呼ぼうとした。
けれど俺の言葉を遮るように伊吹は全然関係ない話を振ってきた。
それに少し動揺して、返事が戸惑ってしまう。
「岡本先輩探しているといろんな発見できそうですね」
「それ褒めてる??」
「もちろんです」
だけどいつものように接してくれる伊吹に俺もいつもの調子で返す。
何だか今はそれが、いつも以上に心地良く感じる。
「あたしそろそろ部活に戻ります。先輩はもう少ししてからでいいです」
「えっ??」
俺を連れ戻しにきたはずなのに、伊吹は1人でドアの方に向かって行く。
「先輩はやっぱりいつものように元気いっぱいなのがいいです」
「それどういう……」
俺の言葉は最後まで聞かず、ドアは閉められた。
「いつものように元気いっぱい……」
伊吹がいいと思ってくれるいつもの俺がいるのはアイツ達がいてくれるから……。
「!!」
気付いたら俺は勢いよく階段を駆け降りていた。
向かわなければいけない場所に向けて。
「あのさ!!」
偶然部室前で会った4人に、俺は今すぐ伝えなければいけない言葉を叫んだ。
「伊吹!!タオルくれ!!」
「はい、どうぞ」
あの後いつも以上にゴールを決めまくった。
伊吹は俺の声に笑顔でタオルを差し出してくれた。
それを受け取ろうと手を伸ばす。
けれど俺の掴もうとしたタオルはフワッと頭に被せられた。
「伊吹??」
驚いて目の前にいる伊吹を見る。
すると嬉しそうに笑いながら言った。
「頑張りましたね」
「??」
ケンカしたことはバレてねーはずなのに……。
じゃああれか、ゴール決めまくったことか!!
自分の中でそう解釈をして、俺も伊吹に笑い返した。
「勝手にどこでも行けば??俺屋上行くしー」
そう言ってキレてドアを蹴って開けたのは10分前。
俺は……つか俺達は、libertyの5人全員でケンカをした。
理由なんて覚えてねーけど、気付いたら言わなくていいことまで言っちまってて、大きなケンカになっていた。
「つまんねー……」
放課後1人の屋上はなんてつまらないんだろう。
普段ならこんなこと別に思わねーのに。
「やっと見つけました」
「っ!!……伊吹……」
いつの間に屋上にやってきていたのか知らないが、寝転がる俺を見下ろしているのは困ったような顔をした伊吹だった。
「見つかったか!」
今はバスケ部の部活中。
それなのに部活にいない俺をわざわざマネージャーの伊吹が探しに来てくれたらしい。
だけど今はバスケ部に行きたくない。
行ったら絶対他のヤツに当たってしまうから。
意地っ張りな俺はケンカして苛ついているのを悟られたくなくて、わざわざ来てくれた伊吹にヘラヘラ笑って見せることしかできない。
「岡本先輩……」
「どした??」
「……いえ」
俺の名前を呼んで何かを言いかけた。
だけどすぐに口を閉じて首を横に振る。
俺はそれを不思議に思って首を傾げた。
「いぶっ」
「それより、あたしこの時間に屋上来たの初めてです。貸し切りみたいでいいですね」
「えっ??あっ、ああ……」
どうしたのか尋ねようと思って名前を呼ぼうとした。
けれど俺の言葉を遮るように伊吹は全然関係ない話を振ってきた。
それに少し動揺して、返事が戸惑ってしまう。
「岡本先輩探しているといろんな発見できそうですね」
「それ褒めてる??」
「もちろんです」
だけどいつものように接してくれる伊吹に俺もいつもの調子で返す。
何だか今はそれが、いつも以上に心地良く感じる。
「あたしそろそろ部活に戻ります。先輩はもう少ししてからでいいです」
「えっ??」
俺を連れ戻しにきたはずなのに、伊吹は1人でドアの方に向かって行く。
「先輩はやっぱりいつものように元気いっぱいなのがいいです」
「それどういう……」
俺の言葉は最後まで聞かず、ドアは閉められた。
「いつものように元気いっぱい……」
伊吹がいいと思ってくれるいつもの俺がいるのはアイツ達がいてくれるから……。
「!!」
気付いたら俺は勢いよく階段を駆け降りていた。
向かわなければいけない場所に向けて。
「あのさ!!」
偶然部室前で会った4人に、俺は今すぐ伝えなければいけない言葉を叫んだ。
「伊吹!!タオルくれ!!」
「はい、どうぞ」
あの後いつも以上にゴールを決めまくった。
伊吹は俺の声に笑顔でタオルを差し出してくれた。
それを受け取ろうと手を伸ばす。
けれど俺の掴もうとしたタオルはフワッと頭に被せられた。
「伊吹??」
驚いて目の前にいる伊吹を見る。
すると嬉しそうに笑いながら言った。
「頑張りましたね」
「??」
ケンカしたことはバレてねーはずなのに……。
じゃああれか、ゴール決めまくったことか!!
自分の中でそう解釈をして、俺も伊吹に笑い返した。