「蛍ちゃんイライラしてる??」
「ええ、とっても」
イライラするのはどうして??
この人が目の前にいるとイライラしてしまうのはどうして??
早くここからいなくなりたい。
そうすればきっとイライラはなくなるから。
「蛍ちゃんイライラしないで~」
ミッションなんて出来っこない。
この人は女好きのドラキュラだから。
この人はどうせ長いマントで他の女の子達のところへ飛んで行ってしまうから。
ネコのワタシじゃこの人には追いつけない。
だからミッションなんて……。
「Trick or Treat」
「えっ??」
「ドラキュラの前で考え事なんて余裕あるね~」
見上げたところには楽しそうにヘラヘラ笑う松岡先輩の顔。
「えっ、ちょっ近い……」
あまりの近さに後ずさりしてしまう。
だけど先輩は気にせずどんどんワタシを追い詰める。
そしてついに背中には壁。
「ドラキュラにあげるお菓子って乙女の生き血なんだよ」
顔を近づけられる。
驚いて目をギュッと瞑る。
その瞬間、耳元で囁かれた声に体が硬直した。
「だからドラキュラってお菓子もイタズラも関係ないんだよね」
首筋にかかる息。
この人本当に咬もうとしてる!?
「蛍ちゃん……」
「っ!!」
鋭い歯の先が首筋に当たる。
いつもの優しいヘラヘラした松岡先輩やない。
怖いはずやのに、何でやろう……。
怖さとは違う、鼓動の速さ。
「蛍ちゃん……」
歯が動く。
天然パーマである先輩のフワフワした髪が頬に当たる。
「松岡……先輩……」
震えてしゃがみこみそうになる足をなんとか保つ。
そして……。
「ぐはっ!!」
松岡先輩のお腹に思いっきり膝を入れる。
「蛍ちゃん……痛い……」
倒れ込んでお腹を抑えてピクピクしている松岡先輩。
「自分が悪いんやないですか」
ワタシの言葉に恨めしそうに顔だけ上げてくる。
「貴方はそこでくたばっておいてください」
「え~、酷くない??」
この状態なら、多分この人は他の女の子達のところには行けないから。
臥龍先輩、結果報告です。
女好きドラキュラの歯を折って真人間に、でしたが、歯を折るよりも、むしろ動けない状態にすべきです。それくらいしなきゃこのドラキュラさんはすぐにどこへでも飛んで行ってしまうんです。
だけど、早いところ真人間にしなければ、この人は何をするのかわからないので困ります。それによってワタシの鼓動も煩くなってしまうので、やっぱり真人間にすることを先決にしなければいけないと思いました。
「ええ、とっても」
イライラするのはどうして??
この人が目の前にいるとイライラしてしまうのはどうして??
早くここからいなくなりたい。
そうすればきっとイライラはなくなるから。
「蛍ちゃんイライラしないで~」
ミッションなんて出来っこない。
この人は女好きのドラキュラだから。
この人はどうせ長いマントで他の女の子達のところへ飛んで行ってしまうから。
ネコのワタシじゃこの人には追いつけない。
だからミッションなんて……。
「Trick or Treat」
「えっ??」
「ドラキュラの前で考え事なんて余裕あるね~」
見上げたところには楽しそうにヘラヘラ笑う松岡先輩の顔。
「えっ、ちょっ近い……」
あまりの近さに後ずさりしてしまう。
だけど先輩は気にせずどんどんワタシを追い詰める。
そしてついに背中には壁。
「ドラキュラにあげるお菓子って乙女の生き血なんだよ」
顔を近づけられる。
驚いて目をギュッと瞑る。
その瞬間、耳元で囁かれた声に体が硬直した。
「だからドラキュラってお菓子もイタズラも関係ないんだよね」
首筋にかかる息。
この人本当に咬もうとしてる!?
「蛍ちゃん……」
「っ!!」
鋭い歯の先が首筋に当たる。
いつもの優しいヘラヘラした松岡先輩やない。
怖いはずやのに、何でやろう……。
怖さとは違う、鼓動の速さ。
「蛍ちゃん……」
歯が動く。
天然パーマである先輩のフワフワした髪が頬に当たる。
「松岡……先輩……」
震えてしゃがみこみそうになる足をなんとか保つ。
そして……。
「ぐはっ!!」
松岡先輩のお腹に思いっきり膝を入れる。
「蛍ちゃん……痛い……」
倒れ込んでお腹を抑えてピクピクしている松岡先輩。
「自分が悪いんやないですか」
ワタシの言葉に恨めしそうに顔だけ上げてくる。
「貴方はそこでくたばっておいてください」
「え~、酷くない??」
この状態なら、多分この人は他の女の子達のところには行けないから。
臥龍先輩、結果報告です。
女好きドラキュラの歯を折って真人間に、でしたが、歯を折るよりも、むしろ動けない状態にすべきです。それくらいしなきゃこのドラキュラさんはすぐにどこへでも飛んで行ってしまうんです。
だけど、早いところ真人間にしなければ、この人は何をするのかわからないので困ります。それによってワタシの鼓動も煩くなってしまうので、やっぱり真人間にすることを先決にしなければいけないと思いました。