「好きなのを選べ」
その言葉を生徒会室で言われたのは今日、10月31日の朝。
私達は今から一週間前にハロウィンの企画を生徒会長である臥龍先輩直々に聞かされ、なぜか仮装も用意してくれると言われた。
「小早川はこの中からだ」
臥龍先輩に言われた箱を覗くと、その中にはたくさんのハロウィンの仮装達。
4人のと見比べてみると、全員違うデザインの物ばかり。
ということは、わざわざ私達一人一人のためにこんなにもたくさん選んでくださったってこと。
「どうして私達に??……」
なぜか私達5人にはわざわざ仮装を用意してくださった。
その理由がわからなくて、仮装を選びながらそう呟く。
その声が聞こえたのかどうかはわからないけれど、臥龍先輩が口を開いた。
「仮装はお前達5人とlibertyの5人に用意してある。ただしlibertyのやつ達はすでに決めてある」
そう言って指差した方へ目を向けると、5つの仮装が目に入った。
「これはハロウィンというイベントによってlibertyがどんな本性を出すのかというミッションだと考えてくれ」
どうやらlibertyの皆さんが勝手に生徒会の会議に参加したことをまだ少し根に持っていて、こういうイベントでの本性を暴いてイジろうとしているみたい。
つまり簡単に言うと、私達にそれを報告させようとしているということ。
「荒川はあの狼男の仮装だ」
「えっ??」
耳打ちをして教えてくれたのは荒川先輩の仮装。
「ミッションA、ニコニコ笑う狼男を狼に大変身作戦だ」
Aって、もしかしなくても荒川先輩のこと??
っていうか、そのネーミングって……。
あまりにも真顔で言うものだから、私も笑うに笑えなくて、ただ頷いて仮装選びを始めた。
そして今に至り、1年4組の教室でいるということです。
「小早川さんそういえばあの新刊読んだ??ぼくはまだ読んでないんだけどね」
狼男の仮装をしている荒川先輩は何だか可愛らしい。
でも、カッコいい。
だけど臥龍先輩、私はミッションをクリアできそうにないです。
だって、こんなにニコニコ笑顔の狼男さんを狼に大変身……なんて。
そもそも狼の概念がよくわかりません。
こんなので大丈夫なのでしょうか??
「大丈夫??どこか体調でも悪いの??」
「いえっそんなことないです」
ミッションのことで悩んでボーッとしてしまっていた私に、荒川先輩はとっても心配したような表情で覗き込んできた。
大丈夫です、と言って笑って見せるも、荒川先輩はまるで狼のミミをペタンとするように、悲しそうな顔をした。
その言葉を生徒会室で言われたのは今日、10月31日の朝。
私達は今から一週間前にハロウィンの企画を生徒会長である臥龍先輩直々に聞かされ、なぜか仮装も用意してくれると言われた。
「小早川はこの中からだ」
臥龍先輩に言われた箱を覗くと、その中にはたくさんのハロウィンの仮装達。
4人のと見比べてみると、全員違うデザインの物ばかり。
ということは、わざわざ私達一人一人のためにこんなにもたくさん選んでくださったってこと。
「どうして私達に??……」
なぜか私達5人にはわざわざ仮装を用意してくださった。
その理由がわからなくて、仮装を選びながらそう呟く。
その声が聞こえたのかどうかはわからないけれど、臥龍先輩が口を開いた。
「仮装はお前達5人とlibertyの5人に用意してある。ただしlibertyのやつ達はすでに決めてある」
そう言って指差した方へ目を向けると、5つの仮装が目に入った。
「これはハロウィンというイベントによってlibertyがどんな本性を出すのかというミッションだと考えてくれ」
どうやらlibertyの皆さんが勝手に生徒会の会議に参加したことをまだ少し根に持っていて、こういうイベントでの本性を暴いてイジろうとしているみたい。
つまり簡単に言うと、私達にそれを報告させようとしているということ。
「荒川はあの狼男の仮装だ」
「えっ??」
耳打ちをして教えてくれたのは荒川先輩の仮装。
「ミッションA、ニコニコ笑う狼男を狼に大変身作戦だ」
Aって、もしかしなくても荒川先輩のこと??
っていうか、そのネーミングって……。
あまりにも真顔で言うものだから、私も笑うに笑えなくて、ただ頷いて仮装選びを始めた。
そして今に至り、1年4組の教室でいるということです。
「小早川さんそういえばあの新刊読んだ??ぼくはまだ読んでないんだけどね」
狼男の仮装をしている荒川先輩は何だか可愛らしい。
でも、カッコいい。
だけど臥龍先輩、私はミッションをクリアできそうにないです。
だって、こんなにニコニコ笑顔の狼男さんを狼に大変身……なんて。
そもそも狼の概念がよくわかりません。
こんなので大丈夫なのでしょうか??
「大丈夫??どこか体調でも悪いの??」
「いえっそんなことないです」
ミッションのことで悩んでボーッとしてしまっていた私に、荒川先輩はとっても心配したような表情で覗き込んできた。
大丈夫です、と言って笑って見せるも、荒川先輩はまるで狼のミミをペタンとするように、悲しそうな顔をした。