liberty~俺達のヒマをつぶしておくれ~

生徒会室から出て校舎をフラフラ歩いていると、当たり前だけど生徒はみんな仮装していた。

俺達がこの案を出さなければ今頃制服着て授業だったんだろうなぁ。

なんて考えていると、いろんな生徒達が俺達に近寄って来た。


「libertyのみんなの仮装かっこいい!!」


「5人揃ってこうしているのってレアじゃない!?」


「写真撮らせてー!!」


気付けば四方八方を囲まれ、写真撮影を行われた。


「ナル!どうにかできない!?こういうの得意でしょ!?」


「いや~さすがにこんな人数俺もどうにもできないよ~!」


「役立たず!こういう時くらいしかナルの女の子スキル役立たないくせに!」


「カナデそれナルみんの心抉ってるから!ってか腹筋めっちゃ触られてる!」


「誰だよ!さっきから俺の筋肉触ってくるやつは!セクハラだぞ!?」


このままじゃダメだと思った俺達の目に付いたのは、さっき渡された大量のお菓子。

それを見て、俺達は目配せし、頷き合った。


「Trick or Treatでしょ!!」


そう叫んでお菓子を一気にバラまいた。

それに気を取られている間に、俺達は静かに、でも素早くその場から逃げ出した。


「もういいんじゃない??」


逃げて逃げて、たどり着いたのは1年の教室がある校舎。

どうやら校庭や3学年共同の教室がある校舎へとみんな行っているらしく、ここの校舎には全く人がいない。


「もっと楽しめるイベントだと思ってたんだが、的外れ」


「あんな囲まれて筋肉触られるとは思ってなかった」


走って上がった息を整えつつ、不満そうな顔でさっきのことについて話す玲斗と瀬那。


「みんなそんなにお菓子欲しかったのかなぁ??」


「いやいや、そういうことじゃないでしょ~」


純粋天然なリョーと、そんなリョーの言葉に苦笑いをするナル。

俺達は廊下の壁にもたれかかりながらその場に座り込み、これからどうするか話し合うことにした。


「libertyの部室は3学年共同教室のある校舎にあるから、帰ることはどう考えても自滅しに行くようなものだよね」


俺の言葉に4人は苦笑いしながら頷く。

そして思った。

これどこにも行けない、と。

どうやら俺達に残された選択はここにいることしかないということ。

制服着て帰ればいいって??
そんなの誰かに見つかって生徒会長の耳にでも入ったら俺達の安否に関わるでしょ。

それを4人も思ったみたいで、廊下には5つのため息が響いた。