秋の風が涼しいというよりも、少し肌寒いと感じ始めた。
こんな季節はいつだって、心までも少し肌寒いと感じる。
「れーくんおかえり!」
「えっ??……」
いつも通りに学校を終えて家に帰って来た俺。
だけど目の前の光景はいつも通りではない。
「紬っ!!?」
なぜか妹の紬がいた。
「おかえり玲斗」
「兄ちゃんおかえりっ!!」
「ただ……いま……」
突然のことに頭が着いていかず、ただ混乱している俺に、斎綺さんと太陽が紬がここにいる理由を説明してくれた。
どうやら、大きな仕事が入った祖父母は、紬を仕事場へと連れて行くことが出来ないため、やむなく俺達の所へ連れてきたらしい。
「紬っ!!」
「れーくんいたいよー!」
理由はどうであれ、紬がいることが嬉しい俺は、キャッキャッと笑う紬を思いっきり抱きしめた。
「つむちゃん明後日までここにいられるよ。よかったね、明日じゃなくて」
そう俺へ優しく微笑んだ斎綺さん。
「本当によかった。明日は……バスケの試合だから」
明日は霧南を含む東西南北の学校での試合がある。
そのため朝から夕方まで家に居られない俺。
だから明後日までいられるという報告に嬉しくならないはずはない。
「れーくん」
「どうした??」
みんなで夕飯を食べ、風呂に入り、そろそろ就寝時刻。
紬を布団へ連れて行き寝かしつけていると、まだ眠くないのか、小さな手で俺の手を掴んだ。
「あしたしあいでしょ?」
「そう、バスケの試合」
「れーくんがかてるようにおうえんしてるね」
「ははっ、ありがとう」
俺の手を握る小さな手を、優しく握り返す。
「まりちゃんもおうえんする」
「伊吹を??」
数ヶ月前に、偶然伊吹と出会った紬。
ちゃんとあの日のことを覚えていたらしい。
「だってね、れーくんたちのおせわしてくれてるんでしょ??おうえんしなきゃだよ」
マネージャーという言葉の説明を伊吹と出会った帰り道にした。
そのこともちゃんと覚えていたんだ。
「うん、そうだな」
優しく頭を撫でると、安心したように瞼を閉じた。
「紬……こうしてずっと……一緒に居てやれなくてごめん……」
その言葉は眠っている紬に届きはしない。
俺の自己満足でしかない。
言っても仕方のないことだとわかっていながら、それを言わずにはいられなかった。
「おはよ~玲斗~」
翌日、まだ目の覚めていない紬に「いってきます」と小声で呟いて家を出た。
学校へ着くと、ナルがヒラヒラ手を振りながら歩いて来た。
「おう、おはよ」
「何々~玲斗機嫌良くな~い??」
どうやら顔に出てしまっていたらしい。
隠すことでもないし、俺は昨日の出来事をナルに話した。
「つむたん帰って来たんだね~!」
「それホント??」
俺の話を聞いて、嬉しそうに笑うナル。
そんなナルの言葉の後に、誰かが声を発した。
「瀬那!?」
「ぼく達もいるよ」
「玲斗そういうことは昨日教えてくれてもよかったんじゃない??」
「りょーすけ!?カナ!?」
見上げた場所は2階の観覧席。
なぜか3人はそこから俺達を見下ろしていた。
「お前達何してんだ??」
「はあ??応援に決まってるでしょーが」
俺の質問に呆れたように笑ってそう答えた瀬那。
それにりょーすけとカナも頷いている。
「近場だから来てくれたんだよね~。3人共応援よろしく~」
ナルはどうやら知っていたらしい。
俺だけ何かアウェイ感。
こんな季節はいつだって、心までも少し肌寒いと感じる。
「れーくんおかえり!」
「えっ??……」
いつも通りに学校を終えて家に帰って来た俺。
だけど目の前の光景はいつも通りではない。
「紬っ!!?」
なぜか妹の紬がいた。
「おかえり玲斗」
「兄ちゃんおかえりっ!!」
「ただ……いま……」
突然のことに頭が着いていかず、ただ混乱している俺に、斎綺さんと太陽が紬がここにいる理由を説明してくれた。
どうやら、大きな仕事が入った祖父母は、紬を仕事場へと連れて行くことが出来ないため、やむなく俺達の所へ連れてきたらしい。
「紬っ!!」
「れーくんいたいよー!」
理由はどうであれ、紬がいることが嬉しい俺は、キャッキャッと笑う紬を思いっきり抱きしめた。
「つむちゃん明後日までここにいられるよ。よかったね、明日じゃなくて」
そう俺へ優しく微笑んだ斎綺さん。
「本当によかった。明日は……バスケの試合だから」
明日は霧南を含む東西南北の学校での試合がある。
そのため朝から夕方まで家に居られない俺。
だから明後日までいられるという報告に嬉しくならないはずはない。
「れーくん」
「どうした??」
みんなで夕飯を食べ、風呂に入り、そろそろ就寝時刻。
紬を布団へ連れて行き寝かしつけていると、まだ眠くないのか、小さな手で俺の手を掴んだ。
「あしたしあいでしょ?」
「そう、バスケの試合」
「れーくんがかてるようにおうえんしてるね」
「ははっ、ありがとう」
俺の手を握る小さな手を、優しく握り返す。
「まりちゃんもおうえんする」
「伊吹を??」
数ヶ月前に、偶然伊吹と出会った紬。
ちゃんとあの日のことを覚えていたらしい。
「だってね、れーくんたちのおせわしてくれてるんでしょ??おうえんしなきゃだよ」
マネージャーという言葉の説明を伊吹と出会った帰り道にした。
そのこともちゃんと覚えていたんだ。
「うん、そうだな」
優しく頭を撫でると、安心したように瞼を閉じた。
「紬……こうしてずっと……一緒に居てやれなくてごめん……」
その言葉は眠っている紬に届きはしない。
俺の自己満足でしかない。
言っても仕方のないことだとわかっていながら、それを言わずにはいられなかった。
「おはよ~玲斗~」
翌日、まだ目の覚めていない紬に「いってきます」と小声で呟いて家を出た。
学校へ着くと、ナルがヒラヒラ手を振りながら歩いて来た。
「おう、おはよ」
「何々~玲斗機嫌良くな~い??」
どうやら顔に出てしまっていたらしい。
隠すことでもないし、俺は昨日の出来事をナルに話した。
「つむたん帰って来たんだね~!」
「それホント??」
俺の話を聞いて、嬉しそうに笑うナル。
そんなナルの言葉の後に、誰かが声を発した。
「瀬那!?」
「ぼく達もいるよ」
「玲斗そういうことは昨日教えてくれてもよかったんじゃない??」
「りょーすけ!?カナ!?」
見上げた場所は2階の観覧席。
なぜか3人はそこから俺達を見下ろしていた。
「お前達何してんだ??」
「はあ??応援に決まってるでしょーが」
俺の質問に呆れたように笑ってそう答えた瀬那。
それにりょーすけとカナも頷いている。
「近場だから来てくれたんだよね~。3人共応援よろしく~」
ナルはどうやら知っていたらしい。
俺だけ何かアウェイ感。