liberty~俺達のヒマをつぶしておくれ~

「奏ちゃんは誰かれ構わず距離取って、本当に大切だと思える人だけには本音出すよね??」


「うん」


今ここにいないカナデの話にますますナルが何を言いたいのかわからなくなる。


「でもりょうは逆なんだよね」


「逆??……って、カナデと逆ってこと??」


「そうだよ。りょうはさ、誰にでも割と裏無しで接することができる。けど、本当に離れてほしくないって思う人とは、自分から距離を取る癖がある」


知らなかった。

カナデが誰にでも距離を取っていることは知っていたけど、ぼくがそれとは逆だったなんて知らなかった。


「どうでもいい人に家のことがバレて何か陰で言われたって気にしない。だけど、本当に大切だと思える人には、バレて離れていかれることが怖い………そう思っているんだよ」


「ははっ……よく知ってるね、ぼくのこと」


ぼく以上にナルの方がぼくのことをわかっている。


「言っとくけど、これはlibertyのみんなわかってることだからね」


「何それ、ぼく自分のことわかってなさすぎ」


苦笑いしか出てこないよ。


「距離取ってほしくないから、俺達はあの時ああしたんじゃん」


「あの時って??」


何の話をしているのかぼくにはわからない。
だからナルの言葉にゆっくりとした口調で聞き返す。


「俺達がボロボロになった時、だよな??」


突然のその声は開かれた扉と共にやってきた。


「レイ、いきなり話に入ったらまるでボク達が立ち聞きしてたみたいになるじゃん」


さっきの声はレイのもの。
そしてその後ろから聞こえたのはセナの声。


「立ち聞きなんて犯罪だよ~」


部室の中に入ってきた2人にナルが冗談ぽくそう言った。


「心外だよ。こっちの校舎にはもう誰もいないから近くまで来たら声が聞こえただけ」


「わかってるよ~、怒んないでよ奏ちゃ~ん」


ムスッとしたような顔で入ってきたのはカナデ。
ナルの返しに「別に怒ってない」って言いながら口を尖らす。


「聞こえたって言っても、俺が返事したナルの言葉くらいからだけどな」


レイの言っているのはナルの「距離取ってほしくないから、俺達はあの時……」っていうところだよね。


「もしかしてナル、リョーに詩音ちゃんのこと聞いたの??」


「えっ??カナデ達もぼくのことに気付いてたの??」


「当たり前。最近リョウキチがそのことで若干悩んでるぽかったから、ボク達いつ話切り出そうかと思ってたんだよ」


カナデとセナの言葉に、ナルがlibertyのみんなわかってると言った意味がよくわかった。