「そういえばトナミちゃん達のクラスは何するの??」


準備期間に何度か聞いたけど教えてくれなかったことを今やっと聞いてみる。


「………」


ん??
何でみんな目を逸らしているんだ??


「瑠美ちゃん達のクラスってカフェだったよね」


「パンフレットに書いてるけど、何のカフェかはわからないね」


カナデとリョウキチがパンフレットを見ながらそう言うと、神崎さんと小早川さんは聞こえてないように目を逸らす。


「後で行ってみるか??」


「そうだね~お邪魔しようか~」


何か裏があると思ったらしいレイとナルさんはチラッと伊吹さんと小鳥遊さんを見る。
すると2人は目を見開いて驚いた顔をした。


「長坂先輩っ私達のクラスは楽しくないです!!」


「そうです!!全然来なくても大丈夫なんです!!」


焦ったように神崎さんとはカナデの、小早川さんはリョウキチの腕を掴んだ。


「本当にっつまらないですから!!」


「絶対来ないでくださいっ!!」


伊吹さんと小鳥遊さんは必死に命乞いでもするようにレイとナルを見上げている。


「それで??トナミちゃん達何するの??」


少し離れた場所でトナミちゃんだけに聞こえる音量でそっと聞いてみる。


「うーー、いやあーー……何ていうか……」


決して目を合わせようとはしないトナミちゃん。
覗き込んで笑顔を向けてみると、負けましたというように肩をすくめて見せた。


「ワタシはいいんですけどねぇ、他の4人はあんなんですからねぇ」


チラッと見た先にいるのはさっきと全く変わらぬ姿の4人の女の子。


「ボク達だけ女装見られて不公平じゃない??」


「んーー、そうですねー……それじゃあ教えます!……けど内緒にしてくださいね??」


その言葉に頷くと、トナミちゃんは手招きをした。
耳を貸せということなんだろう。
屈んで耳を寄せると、コソコソと教えてくれた。


「そうなの!!?それはぜひ見てみたい!」


「来るのはいいんですけど、ワタシから言ったことは内緒にしてくださいよ??」


両手のひらを合わせて拝むようにお願いするトナミちゃん。
心配するなと首を縦に振ると、安心したように笑った。


「お願いですからー……」


「ホントに来ないでくださいー……」


必死に乞う4人の女の子と行く行くとニヤニヤ笑う4人のボクの友達。


「(ごめんね、悪いけど後でクラスお邪魔するよ)」


そう心の中で呟いて苦笑いを送る。
たけど、ボクも行きたい気持ちが強いから。
申し訳ないけど、ボクの友達4人を連れて行くよ。


謝罪の気持ちより、楽しみと思う気持ちが強い。
早く休憩時間にならないかな。