liberty~俺達のヒマをつぶしておくれ~

それから、着替え終えたボク達はナルさんに無理やり引っ張られて教室へ連れて帰らされた。


「キャーー!!すごーーい!!」


「可愛いーー!!」


帰ってくると、ボク達を見るなり教室中が騒ぎ出した。
それは女子だけでなく男子も。


放心状態のボク達の胸元には名前が書かれたプレートを取り付けられた。
リョウキチはりょうちゃん。
レイはレイたん。
ボクはセツ子。
カナデはかなちゃん。
ナルみんはなるちゃん。


全く喜ぶ要素ゼロで、ボク達はただただため息がでた。


そうこうしている間に、一般公開の時間になった。
ボク達5人を含むと4組の男子は全員女装姿でドアの前で待機。
望むことなら客来るな。


「いらっしゃいませ~!!」


「いらっしゃいませ!」


そんなボク達の思いも完全に裏切られ、やたら大繁盛。
家業が接客命であるボクとナルさんは笑顔で迎え入れる。
まあ、ナルさんはもとからノリノリだけど。


「いっ、らっしゃい、ませ」


少し恥ずかしがりながらも笑顔で接客をするリョウキチ。
もう完全に女だ。


「帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい……」


「客来るな客来るな客来るな客来るな客来るな客来るな……」


カナデとレイはもうダメだな。
まるで呪文でも唱えるように真顔で言葉を繰り返している。


「ナースさん名前何て言うの??」


「ナルで~す!ナルちゃんって呼んでね~」


他校の女子らしき客にキャーキャー言われながら話しかけられたナルみんは胸元のプレートを指差す。
そしてウィンクと投げキッスのおまけ付きで笑顔を向けた。
顔はいいため顔だけ見たら様になる。
3人の客はナルみんと楽しそうに話している。


「えー!?本当に男の子??完全に女の子じゃん!!」


「あはは、ちゃんと男ですよ」


こちらも他校の女子に話しかけられているリョウキチ。
ボク達が言ったら絶対キレられるワードを平気で口に出した客。
苦笑いで否定をするリョウキチの姿はどっからどう見ても女だ。


「メイドさん萌え要素完璧じゃん!」


「マジっすか、いやでも眼鏡は俺の一部なので」


他校の女子に捕まったメイドのレイ。
確かに今思ったら黒髪ツインテールに眼鏡とメイド服という秋葉原の萌え要素を全部入れ込んだ状態だ。
それを言われたレイはすごい真顔で否定した。


「ホクロがその服とすっごい合ってる!」


「ドーモアリガトウゴザイマス」


別のテーブルでも他校の女子に捕まったカナデがいた。
カナデの口元にあるホクロと大正ロマン風の袴を見て盛り上がる女子達。
カナデはものすっごいカラカラの笑顔とカタコトの口調でお礼を言った。