あの後俺達は片付けを終わらせ、3年生のパフォーマンスを見た。
王子役をしている先輩がいたけど、俺の王子役には誰も適わないよね~。


「以上でクラスパフォーマンスを終わります。続いては部活パフォーマンスです」


3年生の全てのクラスも終了し、次に行われるのは部活パフォーマンス。


「liberty何番目だっけ??」


「えっと、5組中3番目」


アナウンスを聞き、順番を確認するセツ子にパンフレットを見せてあげているりょう。


「微妙な順番」


「たしかに」


玲斗と奏ちゃんはその順番に少し不満げ。


「まあまあ~、ちゃんと勝負してる感あっていいじゃ~ん」


最初とか最後とかの記憶に残りやすい順番は票を入れてもらいやすい。
先生達からあまり良く思われていないlibertyは微妙な順番の方が勝負してる感があっていい。


「ってか今更だけど、バスケと空手はパフォーマンスしないの??」


思い出したように唐突にそう言ったセツ子。


「俺達はいいとして、3人はlibertyの方で良かったの??」


セツ子に続けて、珍しく少し心配そうな顔をする奏ちゃん。


「バスケはパフォーマンス出ねーから大丈夫」


「出たとしても俺達はlibertyの方で出るよ~」


「ぼくも一緒、libertyの危機なのにこっちの方が大事」


玲斗、俺、りょうの言葉を聞いて安心したように笑う2人。

俺達はlibertyだよ。
裏切ったりしない。

そんな気持ちを込めて、俺達も笑い返す。


「パフォーマンスってさ~、何部が出てるの~??」


そういえば他の4組は何部だろう??
ふとそう思って尋ねてみる。


「1番目が野球部で、2番目がバレー部で、4番目がラグビー部で、5番目が水泳部」


さっきと同じようにパンフレットを見ながら答えてくれるりょう。


「えー、なんかliberty浮いてね??」


「他全部筋肉すごい運動部じゃん」


玲斗とセツ子の言うように、これまた運動部の中でも暑い感じの部活ばかり。


「どうりで周りの人がやたら見てくるわけだよ」


奏ちゃんの言葉に周りを見渡せば、確かに俺達とパンフレットを交互にチラチラ見ている。


「逆に目立っていいんじゃない??暑苦しい部活より爽やか華やかなlibertyが優勝しやすいじゃん」


ウィンクをしながらそう言うと、4人は俺を5秒くらいじっと見た後、真顔で前を向いた。


「泣きそう」


4人揃って俺の扱い雑じゃない??




そうこうしている間に、野球部とバレー部のパフォーマンスは終了し、いよいよ存続を賭けた俺達libertyのパフォーマンスの番に。


「3番目はlibertyのパフォーマンスです」


そのアナウンスと共に、舞台の上ではスクリーンに《liberty》と書かれたタイトルと共に映像が流れ出した。