「あー、なんかめっちゃ眠い……」



〈眠気に勝てなかったセナ雪姫は山小屋の中に置かれたベッドの上で眠りにつきました〉



「えっと、お疲れですか??」



「えっ!?すみません!!不法侵入してすみません!!」



〈セナ雪姫が眠りから覚めて目を開けると、そこには小人が1人いました〉



「いいえ、大丈夫ですよ、あなたセナ雪姫ですよね??お城の話はこのあたりでも噂になっているので知っています」



〈まるで天使です。

お妃様や狩人とは違って天使です。

断言しましょう、天使です〉



「お困りなら一緒に住みませんか??」



〈もう一度言います、天使です。

こうして小人と共に暮らし始めたセナ雪姫。
お妃様から命を狙われる心配も無くなったと思っていた矢先……〉



「こんにちは、りんご売りです」



〈りんご売りに変装したお妃様が現れました〉



「すみません、お断りします」



「俺がわざわざ持ってきたりんご断るの??へー、いい度胸だねー」



「有り難く頂きます!!」



〈真顔で威圧感充分のお妃様の言葉に急いでりんごを頬張ったセナ雪姫〉



「うっ!!」



「あっ倒れた」



「お妃様すげーっ!!毒入りりんごとかよく作れたな」



〈毒入りりんごを食べたセナ雪姫は倒れてしまいました。

その直後、狩人が現れお妃様と毒入りりんごの作り方について話ながら帰って行きました〉



「わーっ!!セナ雪姫!?」



〈倒れたセナ雪姫を見つけた小人は何度も声をかけましたが一向に返事はありません。

可哀想なセナ雪姫。

小人は棺を作りセナ雪姫を中へ入れました〉



「は~い、君達何で泣いてるの??」



〈そこへ通りかかったのは隣の国のナル王子でした〉



「あっ、ナルシストのナル王子」



〈おーい、初めてしゃべった小人2、失礼極まりないな〉



「魔女に毒入りりんごを食べさせられて死んでしまったんです……」



〈悲しそうに俯きながら小人がナル王子へ説明をしました〉



「あぁっなんて美しっ……男じゃん!!」



〈王子様ーーっ!!?それは言わないお約束っ!!!〉



「俺は女の子が好きだ、男は死ねばいい」



〈そんなキリッとした顔でクズ発言止めてください〉



「そういうわけで~、俺の姫になりたい人は投票よろしくね~」



〈ウィンクをしながらお客さんへ手を振らないでください。

えっ??マジで??これで終わり??……

ええっと、そんなこんなで、セナ雪姫は助けられず、みんなそれぞれ幸せに暮らしましたとさ。

めてたしめてたし〉



「いやっめてたしめてたしじゃないっ!!結局ボク女装しただけじゃんっ!!」






















「楽しかったね~」


「完璧なシナリオだったよね」


「なー、俺達天才」


ぼく達のパフォーマンスは無事終了し、ぼく達は舞台裏で片付けをした。
ナルとカナデとレイの3人は笑いながら自画自賛。


「ボク弄られ倒されただけじゃんかっ」


疲れ切ったように肩を落とすセナ。


「でもさ、お客さんみんな笑ってたよ??劇成功したよねっ!」


ぼく達の考えた普通じゃない白雪姫は、全校生徒と先生達にすごくウケた。
みんなすごくすごく笑っていた。
ぼくは本来の目的が達成できてすごく嬉しい。
そう思って笑うと、4人は視線を交わせた後笑った。


ぼく達2年4組のパフォーマンスは無事終了した。