その後、1年生のパフォーマンスは着々と進んで行き、2年生のパフォーマンスも終盤に差しかかってきた。


ぼく達2年4組は1番最後。
これから始まるのは2年6組。
ぼく達は準備をするために舞台裏へ移動した。


「どお~??俺の王子様は~、まあ似合ってるだろうけどね~」


王子の衣装に着替えたナルは、クラスの女の子にポーズを決めてアピールしている。


「ふざけてっと脳天貫くぞ」


アイドルばりにアピールをするナルの頭に、狩人の衣装を着たレイが小道具であるライフルを突き付けて物騒なことを言う。


「それよりも俺が魔法で殺してあげるよ」


黒いマントを身にまとったカナデがりんご片手に笑顔でレイの肩をポンと叩いた。


「えっちょっ、怖い怖いっ!!」


焦ったナルは冷や汗をかきながら後ずさる。


「2人共本番前にナル怯えさせてどうするの」


小人の衣装を着たぼくは見ていられなくなり、レイとカナデを止めに入った。
2人は「しょうがない」なんて言いながらナルを弄るのを止めた。


「そういえばセナはまだ準備中??」


さっきから見当たらないセナをキョロキョロしながら探してみるものの見当たらない。


「そうだなまだ準備中みたいだな」


「そーそー、何せ女の子の準備は時間かかるからね~」


明らかにニヤニヤ笑うレイとナル。


「ちょっと!!!」


「ほら、お姫様がお呼びだよ」


聞こえてきた声の方へカナデが視線を向けたのでぼく達もそっちへ目線を向けると、そこにはドレスを着たセナがいた。


「何でボクだけドレス!!?何でボクだけ女装!!?カナデだって魔女なのにっ!!!何でボクだけっ!!?」


何でを連呼するセナ。
確かにセナの言う通りカナデは魔女なのに黒いマントにYシャツとズボンという、どう見ても女装ではない格好。


「奏ちゃんの女装は来るべき時にとっておくんだよ」


「嘘付けっ!!ボクだけ女装させて笑い物にしたいだけだろっ!!?」


ナルの言葉に瞬発的にツッコムセナ。


「ちゃんと俺も魔女としてやってるよ、ほらティアラ」


「頭に乗っけてるだけで偉そうなっ!!」


頭に乗ったティアラを指差すカナデの言葉を一刀両断するセナ。


「うっせーなー、お前は白雪姫だろ??ドレス当たり前」


「レイに正論言われたっ!?」


「ぶち殺すぞ」


耳を塞ぎながら正論を言ったレイはセナの言葉にライフルを向ける。