「心配しなくても大丈夫だよ!要するに、今回の霧南祭で部活として認められるようにしてくれればいいから」


つまりあれか、前日祭で部活のパフォーマンスをするやつにエントリーしろってことか。


「どうする??やるか??」


「まあ、やる以外の選択肢はないよね」


横に並んでいる瀬那へ話を振れば、肩をストンと落として苦笑いをした。


「そうだね……わかりました、それじゃあlibertyもエントリーします」


そう言ったカナに笑って頷いた後職員室へ戻って行った先生。


「さすがにliberty無くなるのはね~」


「うん、ぼく達の大切な場所だからね」


帰って行く先生の背中を見ながらそう言ったナルとりょーすけに俺達3人も同意した。


「クラスの出し物カフェだって~」


教室へ戻ると話し合いは終了していて、作業に取りかかっていた。
クラスの出し物は何に決まったのか知らない俺達に、女子から聞いたらしいナルが教えてくれた。


「楽しそうじゃんカフェ!ナイス接客業!」


「だよね~!他校の女の子も接客できるし~」


クラスの出し物に1番喜んでいるのは家が旅館を経営している瀬那と定食屋を経営しているナル。
家が接客業をしている2人は楽しそうにカフェについての話で盛り上がっている。


「接客業なんて初めてだから大丈夫かな??」


「俺フロア嫌だな、中の仕事の方が楽でいい」

不安そうに話すりょーすけと、完全に接客をやる気無いカナ。


「楽しそうな企画だよな!みんなでやんのスゲー面白そう!」


ニッと笑って言うと、それに同意をする瀬那とナル。
りょーすけは微笑みつつもやっぱり不安げ。
カナは「そうだね」なんて言いながら完全に他人事だ。


「ねえねえ、みんなの身長とか肩幅とか教えてもらってもいい??」


「もしわからなかったら測らせてもらいたいなぁなんて」


俺達が話をしていると、クラスの女子2人が来た。
何のために必要なんだ??
ナル以外は視線を送りあって知らないと首を振る。


「ほら~、学ラン着たりとかいろいろあるしね~」


「ああ、学ランか!」


ナルの言葉に納得すると、3人も「あー、なるほど」と呟いた。
身長はわかるとして、その他のものはさすがにわからない俺達は2人の女子に測ってもらうことに。
なんかやたら嬉しそうに顔赤くしてんだけど……何でだ??


「しっかり測ってね」


ウィンクをするナル。


「よろしくね」


軽く会釈をする瀬那。


「ごめんねわざわざ」


申し訳なさそうに笑うりょーすけ。


「………」


不機嫌Maxで黙り込むカナ。


「頼むな」


ニカッと笑う俺。


すると周りにいた女子達が「私がやるよ!」「いいや、私が!!」とメジャーの奪い合いを始めた。
そんな測りてーもんなのか??