「はいはい、そんなにイライラしな~い」
波が押し寄せる海と砂浜のちょうど境目。
不機嫌そうにバシャバシャと音をたてながら前を歩く4人。
追いかけて声をかけると、振り向いて何か言いたそう。
「何~??」
首を傾げてニコニコ笑うと、視線を交わしたあとに「よかったの??」なんてりょうが代表してしゃべりだした。
「よかったって何が??」
「ナルの好きな水着のお姉さんだったでしょ」
困り顔で笑いながらそう言ったりょうの言葉に、俺はただ笑って「いいんだよ」と頷いてみせた。
りょう達が思っているように、意外だったと、俺自身も思っていたことは内緒にして。
「まあお姉さん達のことは忘れてさ、海で遊ぼうよってね~~!」
「うわっちょっ!!」
「ナルみん!?」
玲斗とセツ子の腕を持ち、引きずるようにそのまま海へダイブ。
「いきなり何すんだっ!!」
「うえっ潮飲んだ……」
超浅瀬……っていうか砂浜と海の境目で行ったため、俺達はすぐに海面から顔を上げた。
目を開けると、キレる玲斗とむせながら膝をつくセツ子がいた。
「レイもセナも大丈夫!?」
「アッハッハッハッ!!何やってんの!?」
わたわたと慌てるりょうと、その隣で爆笑している奏ちゃん。
「隙あり~!!」
驚きで声も出せない2人を玲斗とセツ子同様、無理矢理引きずって海へダイブ。
「ナルっ!それ反則!」
「殺す気か!」
綺麗に引っかかってくれた2人は海面から顔を出し、俺へキレる。
「2回もダイブした俺の方が死にそうだけどね!浅瀬痛い!」
胸を張ってそう言い切れば、4人は一瞬固まり意味不明という顔をしたあとすぐに大爆笑しだした。
「(よかった、みんないつも通り)」
その後もとにかくふざけあって海で泳ぎまくった。
砂浜で高校生男子5人が寄ってたかって城を作った光景は、端から見ると異様だっただろうな~。
「あーー、痛いわーヒリヒリするわー」
「赤くなってんじゃん、外の部活じゃねーのにな」
「アハハ、やっぱり海って焼けやすいよね」
「こんなに痛いのにわざわざ焼く人いるとか信じられないよ」
砂浜に置いた荷物達を片付けて俺達は帰ることにした。
電車を待つホームは夕方なだけあって人が少ない。
赤く見える肌は夕日のせいだけではなく、日焼けもプラスされている。
自分の腕を見て若干顔を歪ませるセツ子。
同じように腕を見て同調する玲斗。
そんな2人に笑いながら頷くりょう。
しみじみと思ったことを口に出す奏ちゃん。
日焼けで痛いのは俺も同じ。
だけどそれよりも……。
「楽しかったよね~」
俺の口から出ていたその言葉に一斉にこちらを向いた。
少し考えるように空を見つめて、4人は笑った。
「夏の思い出第1段完了ってね~」
遠くの踏切の音が聞こえる。
電車はもうすぐそこだ。
夏の海の匂いを感じながら俺達は電車に乗り込んだ。
波が押し寄せる海と砂浜のちょうど境目。
不機嫌そうにバシャバシャと音をたてながら前を歩く4人。
追いかけて声をかけると、振り向いて何か言いたそう。
「何~??」
首を傾げてニコニコ笑うと、視線を交わしたあとに「よかったの??」なんてりょうが代表してしゃべりだした。
「よかったって何が??」
「ナルの好きな水着のお姉さんだったでしょ」
困り顔で笑いながらそう言ったりょうの言葉に、俺はただ笑って「いいんだよ」と頷いてみせた。
りょう達が思っているように、意外だったと、俺自身も思っていたことは内緒にして。
「まあお姉さん達のことは忘れてさ、海で遊ぼうよってね~~!」
「うわっちょっ!!」
「ナルみん!?」
玲斗とセツ子の腕を持ち、引きずるようにそのまま海へダイブ。
「いきなり何すんだっ!!」
「うえっ潮飲んだ……」
超浅瀬……っていうか砂浜と海の境目で行ったため、俺達はすぐに海面から顔を上げた。
目を開けると、キレる玲斗とむせながら膝をつくセツ子がいた。
「レイもセナも大丈夫!?」
「アッハッハッハッ!!何やってんの!?」
わたわたと慌てるりょうと、その隣で爆笑している奏ちゃん。
「隙あり~!!」
驚きで声も出せない2人を玲斗とセツ子同様、無理矢理引きずって海へダイブ。
「ナルっ!それ反則!」
「殺す気か!」
綺麗に引っかかってくれた2人は海面から顔を出し、俺へキレる。
「2回もダイブした俺の方が死にそうだけどね!浅瀬痛い!」
胸を張ってそう言い切れば、4人は一瞬固まり意味不明という顔をしたあとすぐに大爆笑しだした。
「(よかった、みんないつも通り)」
その後もとにかくふざけあって海で泳ぎまくった。
砂浜で高校生男子5人が寄ってたかって城を作った光景は、端から見ると異様だっただろうな~。
「あーー、痛いわーヒリヒリするわー」
「赤くなってんじゃん、外の部活じゃねーのにな」
「アハハ、やっぱり海って焼けやすいよね」
「こんなに痛いのにわざわざ焼く人いるとか信じられないよ」
砂浜に置いた荷物達を片付けて俺達は帰ることにした。
電車を待つホームは夕方なだけあって人が少ない。
赤く見える肌は夕日のせいだけではなく、日焼けもプラスされている。
自分の腕を見て若干顔を歪ませるセツ子。
同じように腕を見て同調する玲斗。
そんな2人に笑いながら頷くりょう。
しみじみと思ったことを口に出す奏ちゃん。
日焼けで痛いのは俺も同じ。
だけどそれよりも……。
「楽しかったよね~」
俺の口から出ていたその言葉に一斉にこちらを向いた。
少し考えるように空を見つめて、4人は笑った。
「夏の思い出第1段完了ってね~」
遠くの踏切の音が聞こえる。
電車はもうすぐそこだ。
夏の海の匂いを感じながら俺達は電車に乗り込んだ。