そして待ちに待った日曜日。
駅で集合した俺達は、電車に1時間ほど揺られて目的地へ向かった。


「青い空!!白い雲!!目の前に広がる海!!そして水着のお姉さん!!」


「先に行くよ」


両手を空へ伸ばして感動を表現する俺。
そんな俺のことを無視してスタスタ歩いて行く4人。
まだ話しかけてくれたりょうは優しい方だ。


「今日は遊びまくろうな!」


「とりあえず荷物置く場所確保しようか」


「暑い……」


ニカッと笑い海へ入ろうとする玲斗。
そんな玲斗を静止して担いでいるパラソルを砂へ突き刺すセツ子。
海をボーッと見つめて心からの叫びを呟く奏ちゃん。


「これで大丈夫かな~」


シートを引き、パラソルを開き、荷物も置いて準備完了。


「見ろっ!!この筋肉を!!」


上に着ていたTシャツをバッと勢いよく脱ぎ、割れた腹筋をアピールする玲斗。


「それならボクも負けてないよ!!」


玲斗に負けじとパーカーを勢いよく脱ぎ捨て、同様に筋肉をアピールするセツ子。


「それなら俺も~」


「大して筋肉ねーやつ」


「まだまだ鍛え方足りないんじゃん??」


上着を脱いだ俺を見て鼻で笑う玲斗とセツ子。
この筋肉馬鹿達腹立つな!


「ほらほら、早く海入ろうよ」


筋肉馬鹿達を宥め、上着を脱ぎつつそう言ったりょう。
やっぱり顔に似合わず思ったより筋肉あるな。


「カナデはパーカー脱がないつもりなの??」

りょうの言葉に奏ちゃんは「自分も入るの??」みたいな顔をする。
今更になって往生際悪いんじゃな~い??


「あーあ、グッバイ日陰」


そう言いながらパーカーを脱いだ奏ちゃんは筋肉付きづらいみたいで、目立って筋肉があるというわけじゃない。


「出動ーー!!」


「おーー!!」


走っていく玲斗とセツ子。


「アハハ、2人共早いよ!」


そんな2人を走って追いかけるりょう。


「今からそんなんじゃ午後から疲れるよ??」


呆れたように笑い3人の背中をゆっくり歩いて追いかける奏ちゃん。


「さあ!いざ青春~!」


海へ入った4人のそばで海へ飛び込めば、高く上がる水しぶき。
濡れた髪をかきあげて水面から出てくれば、俺の名前を呼びながら笑う4人。


「クッソやったなナル!」


「ちょっ!ボクへ飛ばしてるから!」


「リョー、瀬那を狙って水かけるゲームみたいだよ」


「そうなの??それじゃあ頑張ろう!」


玲斗がセツ子へ水をかけ、それにツッコムセツ子。
奏ちゃんはニヤニヤしながらりょうを誘発させ、りょうはそれを信じて楽しみだした。


「ぶっ!ちょっと!いきなりは反則なんじゃない!?」


急に俺の顔へかけられた水。
それの仕返しにと言わんばかりの水を4人へかければ、またお互いに水をかけあい、もうみんなビショビショだ。