7時。
俺の朝は弟を起こすことから始まる。


「太陽、そろそろ起きろよ」


自分の目覚まし時計の音に目を覚ませば、とりあえず最初に向かうのは弟の太陽の部屋。
毎朝起こしても起こしても爆睡中の弟に今日もため息をはき抱きかかえて静止する。


「んーー……おぉ!!にーちゃんおはよう!!」


「おはよう」


さっきまで爆睡してたのにこの元気はどこから来るんだ??
そう思いながら太陽を降ろして朝食を食いに下へ向かう。


7時10分。
斎綺さんの好きなパン屋の食パンを3人分焼き、斎綺さんのコーヒーを作る。


「おはよう2人共」


台所からおかずを持ってきた斎綺さんに挨拶をし、朝食を3人で食べる。
目玉焼きが半熟でめちゃくちゃ旨い。


7時30分。
太陽の準備をしつつ自分の準備もする。
普段は学校へ行く準備をさせるけど、今は夏休みのため、朝野球へ行かせるための準備をさせる。


「ほら、弁当とスポーツドリンクな、熱中症に気をつけろよ4番バッター」


「おお!!熱中症気をつける!!にーちゃんも気をつけろよ!!」


「はいはい、いってらっしゃい」


ブンブン手を振る太陽に軽く手を振り返して見送る。


「玲斗、行ってくるから」


「いってらっしゃい」


斎綺さんも出勤する時間になり、家から出た。


「俺もそろそろ行かねーとな」


8時。
斎綺さんに続くように家を出る。


「おはようレイ」


玄関を閉めて振り返ると、自転車に跨がり挨拶をする瀬那がいた。


「おー、今日もよろしくな」


早く家を出れた方が迎えに行き一緒に登校する俺達。
今日は瀬那の方が早かったため自転車で登校。


「よいしょっと……」


「いつも思うけど、荷台乗った瞬間低血圧出るとか……」


ハハッと笑いながらペダルを漕ぎ学校へ向かう瀬那。
俺はその後ろで空を見上げる。


「うおっ!!飛行機雲!!」


「いきなり叫ぶなっ!!」


突然覚醒する俺にいつものように怒鳴る瀬那。
今日も元気だな。


8時35分。
校門付近にいつもいる教師がいない。


「時間ヤバくね!?これ遅刻だ!!」


「えっ走る!?」


8時38分。
バタバタ2人揃って走って教室へ入ると、補習は45分からだったということに気が付いた。


「はぁはぁっ、あっちーー!!」


「走って来たけど全然時間余裕じゃん!!」


駆け込んだ俺達は息が上がっている。
とりあえずしんどいから俺は席へ座る。


「2人がこんなに早く来るとか雨振るんじゃな~い??」


「雨降ったら打ち水になるのに……」


「2人共時間勘違いしてたの??」


ヘラヘラ笑うナル。
暑さで死にかけのカナ。
笑って図星を言うりょーすけ。


俺の朝は毎日時間との戦い。