「以上、解散」


「お疲れ様でしたーー!!」


キャプテンの声で今日の練習も終了した。
後片付けを行い、それぞれ部室へ着替えに向かった。

帰る時、部員の人達も誕生日を祝ってくれ、その言葉だけで嬉しくなった。


「ナルー、liberty行くぞ」


「は~い、あっ玲斗、ちょっと待ってて~」


ぞろぞろと帰って行く部員の中、着替え終わり鞄を担いで出てきたのは岡本先輩と松岡先輩。
2人は今日もlibertyへ向かうのかと思っていると、松岡先輩が笑顔で近付いてきた。


「暑苦しいので近付かないでください」


「それ本日2回目~」


可愛くないアタシのセリフにヘラヘラ笑う先輩。
何でこの人はアタシの言葉に苛ついたりしないんだろう??


「蛍ちゃん、連絡よろしくね」


わざわざそんなことを言いに来たのかと呆れていると、ウィンクを1つして手をヒラヒラ振りながら岡本先輩のもとへ帰って行った。


「(変な人……)」


アタシも瑠美達のもとへ向かうべく、片付けを終わらせて、離れた場所で片付けをしていた舞璃と一緒に体育館を出た。



「蛍も舞璃も部活お疲れ様」


クーラーの効いた生徒が自由に出入りできる教室で本を読んでいた詩音がアタシ達に気付き声をかけてきた。


「体育館暑そうだったね、2人共大丈夫??」


教室の隅にあった小さなホワイトボードへ勝手に落書きをしていた杏奈は手を止めてそう尋ねてきた。


「さすがに夏本番になってきたから暑いよ、でも大丈夫」


隣にいる舞璃がそう答えると、杏奈は安心したように笑った。


「大変そうだけど楽しそうでよかった」


アタシと舞璃の顔を見てふふッと笑った瑠美の言う通り、舞璃もアタシも楽しんでいる。
それを3人は理解してくれていて、自分のことのように笑顔でいてくれる。


「そういえば用事って??」


そう尋ねると、隣にいた舞璃も3人の方へ移動した。
アタシは意味がわからず首を傾げた。


「蛍、誕生日おめでとう!!」


その言葉と共に手渡されたプレゼント達。
アタシは驚きながらも、それがすごく嬉しくて笑ってそれを受け取った。


「みんな本当にありがとう、すごく嬉しい」


お礼を言えば、少し頬を赤くして嬉しそうに笑ってくれた。