「岡本先輩??」
そこにいたのは、黒いランドセルを背負った同じ顔の男の子2人と手を繋いだ伊吹だった。
「伊吹、弟??双子だな」
「あっはい、ほら2人共挨拶は??」
「昴です」
「充です」
「俺は岡本玲斗、よろしくな」
昴(すばる)と充(みつる)はどうやら太陽と同級生らしく、小学校1年の一卵性の双子で伊吹の弟。
「岡本先輩に弟さんがいるのは知ってましたけど、こんなに小さい妹さんがいるなんて知りませんでした」
「おかもとつむぎです!おねえちゃんは??」
「伊吹舞璃です、よろしくね紬ちゃん」
驚いた顔をする伊吹へ自己紹介をした紬。
伊吹はしゃがんで紬と目線を合わして笑顔で答えた。
「玲斗兄ちゃん、紬ちゃんと遊んでいい??」
「一緒にお城作るよ!」
昴と充に紬を任せると3人は嬉しそうに砂場へ駆けていった。
「でも本当に驚きました、2歳くらいですか??あんなに小さな妹さんがいるなんて知りませんでした」
砂場の近くのベンチに座った俺と伊吹。
伊吹は砂場で遊ぶ3人を見てそう言った。
「紬は……なかなか会えねーからな……」
「どういうことですか??……」
俺の言葉に不思議そうに俺の方を向き尋ねる伊吹。
「紬はさ、県外の母方の祖父母のところで暮らしてるんだ」
「どうしてかを……聞いてもいいですか??……」
恐る恐る尋ねる伊吹の方へ向いて俺はゆっくり昔のことを話した。
俺の話を聞いているうちに驚いた顔をしたり、悲しそうに目を潤ませたりしていた。
それでも決して目線を外すことなく聞いてくれる伊吹。
「だから紬は俺達と一緒にはいられないんだ……」
全てを話し終えた俺に伊吹はゆっくりと口を開いた。
「先輩の思いが叶う日は必ず来ますよ、だから……」
優しく笑う伊吹。
その笑顔に一瞬気が抜けた俺は涙が出そうになった。
それを気付かれないように視線を落として礼を言う俺に伊吹も礼を言ってきた。
「??」
礼を言われた意味がわからなくて伊吹を見れば、俺が不思議そうにしているのに気付いたらしく、また優しく笑った。
「話してくれたことへ、ですよ……知れてよかったです」
その言葉にまた涙が出そうになるのを堪えた。
「そろそろ帰るか、紬さよならは??」
「まりちゃん、すばるくん、みつるくん、ばいばい!」
紬が手を振れば、昴と充は元気よく両手で手を振り返してくれ、伊吹は笑って手を振り返してくれた。
俺も3人へ手を振り、紬と家へ帰った。
「充分、守ってあげられる力くらいありますよ……岡本先輩」
そう伊吹が呟いたことなんて知らずに。
そこにいたのは、黒いランドセルを背負った同じ顔の男の子2人と手を繋いだ伊吹だった。
「伊吹、弟??双子だな」
「あっはい、ほら2人共挨拶は??」
「昴です」
「充です」
「俺は岡本玲斗、よろしくな」
昴(すばる)と充(みつる)はどうやら太陽と同級生らしく、小学校1年の一卵性の双子で伊吹の弟。
「岡本先輩に弟さんがいるのは知ってましたけど、こんなに小さい妹さんがいるなんて知りませんでした」
「おかもとつむぎです!おねえちゃんは??」
「伊吹舞璃です、よろしくね紬ちゃん」
驚いた顔をする伊吹へ自己紹介をした紬。
伊吹はしゃがんで紬と目線を合わして笑顔で答えた。
「玲斗兄ちゃん、紬ちゃんと遊んでいい??」
「一緒にお城作るよ!」
昴と充に紬を任せると3人は嬉しそうに砂場へ駆けていった。
「でも本当に驚きました、2歳くらいですか??あんなに小さな妹さんがいるなんて知りませんでした」
砂場の近くのベンチに座った俺と伊吹。
伊吹は砂場で遊ぶ3人を見てそう言った。
「紬は……なかなか会えねーからな……」
「どういうことですか??……」
俺の言葉に不思議そうに俺の方を向き尋ねる伊吹。
「紬はさ、県外の母方の祖父母のところで暮らしてるんだ」
「どうしてかを……聞いてもいいですか??……」
恐る恐る尋ねる伊吹の方へ向いて俺はゆっくり昔のことを話した。
俺の話を聞いているうちに驚いた顔をしたり、悲しそうに目を潤ませたりしていた。
それでも決して目線を外すことなく聞いてくれる伊吹。
「だから紬は俺達と一緒にはいられないんだ……」
全てを話し終えた俺に伊吹はゆっくりと口を開いた。
「先輩の思いが叶う日は必ず来ますよ、だから……」
優しく笑う伊吹。
その笑顔に一瞬気が抜けた俺は涙が出そうになった。
それを気付かれないように視線を落として礼を言う俺に伊吹も礼を言ってきた。
「??」
礼を言われた意味がわからなくて伊吹を見れば、俺が不思議そうにしているのに気付いたらしく、また優しく笑った。
「話してくれたことへ、ですよ……知れてよかったです」
その言葉にまた涙が出そうになるのを堪えた。
「そろそろ帰るか、紬さよならは??」
「まりちゃん、すばるくん、みつるくん、ばいばい!」
紬が手を振れば、昴と充は元気よく両手で手を振り返してくれ、伊吹は笑って手を振り返してくれた。
俺も3人へ手を振り、紬と家へ帰った。
「充分、守ってあげられる力くらいありますよ……岡本先輩」
そう伊吹が呟いたことなんて知らずに。
