公園でままごとをすると言った紬を連れて俺達は近くの公園へ行った。


「れーくんはおとうさんでね、なるみくんはおにいちゃん、かなでくんはしたのおにいちゃんで、りょうきくんはおとうと、せなくんはわんちゃん!」


「セツ子ざまぁ!」


「瀬那よかったね、わんちゃんだってわんちゃん」


「ナルさんとカナデのそのニヤニヤ笑う顔に今すぐグーパンチ入れたいっ!!…」


紬の言った役柄を聞いて笑うナルとカナ。
そんな2人にキレる瀬那。


「紬ちゃんは何役かな??」


子供好きなりょーすけは優しくそう紬へ聞いた。


「つむはね、おかあさん!」


「!!?」


おかあさんという言葉に少し胸が痛くなった。


「れーくん、ごはんですよ、そろそろおきて!」


「おぉ、そうだな、そろそろ起きるか」


役柄が決まり、始まったままごと。
ベンチに寝るってすげー背中痛い…。


「なるみくんもはやくおきなさい!かなでくんとりょうきくんはもうおきてるわよ!」


「え~??つむたんママのおはようのちゅーがなけりゃ……」


「ナールー??」


「ハハハ、玲斗パパが怖い」


全く、ナルは油断も隙もあったもんじゃねーな。


「りょうきくんおいしい??」


「うん、やっぱりお母さんの料理は美味しいね」


並べられた石を食べるフリをしてちゃんとままごとをするりょーすけ。


「母さん、石は食べられな……痛いな犬」


「カナデ、遊びでリアルなこと言わないっ!それから犬って何!?名前は!?」


ままごとでリアルな発言をするカナの頭を軽く叩いた瀬那。


「犬なら黙ってワンワン言ってなよ」


「えっちょっごめん!!」


「かなでくんとせなくんはなにをしてるの??」


「気にするな」


真っ黒な笑顔を向けるカナに全力で土下座をする瀬那。
そんな姿を不思議そうに見つめる紬と苦笑いの俺。


「またあおうね!」


ままごとも終わり、4人はそろそろ帰ると言った。
俺と紬が2人でいれる時間を増やしてくれていること俺はちゃんと知っている。
手を振る紬へ手を振り返して帰って行く4人へ、俺は心の中でお礼を言った。


「さーて、斎綺さんと太陽が帰って来るのにまだ時間あるからもう少し遊んで帰るか」


そう言った俺へ嬉しそうに頷いた紬。
ちなみに、斎綺(いつき)さんっていうのは父親な。


「れーくんおしろつくる!」


砂場で城を作るとはしゃぐ紬を砂場へ連れて行く。
その時、誰かに名前を呼ばれた。