ミーハーな私は顔の緩みを抑えつつ、

「こちらのお席どうぞ」

と奥まった席へ案内する。


「メニューはこちらになります」…とひとしきり説明した後、


「ありがとう!おいしそう〜」

ととびっきりの笑顔を向けられた。


「えっ、いやそんな…こちらこそご来店ありがとうございます…」


と、しどろもどろになりながら

厨房へ逃げ込むと既に他のスタッフは

彼の話題で持ちきり。


「ねえ、うちの常連になってくれないかなあ!」

「なんで来たんだろうねー?」

「えみちゃんちょー羨ましい〜!」


私も喜びを隠せず、みんなの会話に混ざっていると、


「おーい!えみちゃん、二宮さんからご指名だよ!3卓持ってって!」