その太い声と太い手で、空はすぐに大場だと分かった。
大場はいじめっ子グループのボスみたいなやつだ。
こいつに空は毎日ボコボコにされている。
(怖いけど、こいつ一人なら逃げれるかも…)
そう思った矢先……
ゾロゾロと大場の子分がやってきた。
ああ、もうダメだ…。
空は脱力し、グイッと髪を引っ張られた。
「俺ストレス溜まってんだよね〜」
人影のない体育館の倉庫近くに連れて来られた空に、大場はニヤニヤしながら言う。
「なぁ…
ストレス解消、手伝ってくれるよな?」
グッと顔を近づけ、つり上がった細い目で空を睨む。
