サウナのような電車から出ると、やっと解放されたとほっとした。



一年以上通学で乗り続けているが、いまだに電車は好きになれない。


知らない人の体温を毎朝身近に感じるこの時間は、吐き気さえ催す不快な時間だった。




まわりにチラホラと同じ学校の学生らしき人達をみて少し安心したが、私の通う高校は自由な校風で制服もないので、生徒に明確な目印がない。



不安を拭いきれないまま学校の方に歩いていくと、見知った顔も伺えたので、今度こそ安心できた。