そろそろかな、と思ってから少し経つと、部屋にけたたましい電子音が鳴り響く。 予想していたので驚きはしないが、朝からこの騒音を聞くのは堪える。 耳を劈くその音を止めようと、出処を探る。 溺れた人のように、手をがむしゃらに動かすと、ちょうど手がスイッチに当たったようで、音が止まった。 けたたましい電子音が止まったのが合図になったように、もそもそとした動きで活動を始める。 その様は冬眠から目覚めた熊のようで、お世辞にも優雅とは言えない。 それならば、熊の方が優雅に違いなかった。